商社の海外駐在に行きたくない|断れるのか、打診は何年目に来るか

商社の海外駐在に行きたくない|断れるのか、打診は何年目に来るか 商社の選び方

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この記事で分かること

「商社に興味はあるけれど、海外には行きたくない。入社したら断れないのか」——この相談が多いので、先に答えます。あわせて「行きたい側」の、打診が何年目に来るのかもまとめました。

・断ること自体はできますが、数年後にまた打診が来ることが多いです(私の見てきた範囲)。総合職は勤務地を限定しない前提で採用されるので、国内に残りやすい部署はあっても、海外異動の可能性はゼロにはなりません。・最初の駐在は入社5〜8年目が多く、1回は3〜5年が目安です(私の見てきた範囲)。三菱商事は、研修や長期出張を含む海外派遣制度で「原則として入社8年目までに全職員に海外経験を積ませています」と公表しています。・海外に出る機会が多いのは資源・エネルギーや機械・インフラなど、事業の現場や取引先が海外にある部署で、配属部署がその後を大きく左右します(私の見てきた範囲)。

本記事の数値について
拠点数・従業員数・駐在の語学要件など、企業や公的機関が公表している数値は出典を明記しています。駐在の時期・期間・部署ごとの差など出典の記載がないものは、著者が商社30年以上(うち人事部で新卒採用・中途採用の面接官を経験)で見てきた範囲の目安であり、公式な統計ではありません。企業・部門・年度によって変わります。

はじめに

商社と海外駐在の話には、正反対の2つの立場があります。ひとつは「商社に入ったら海外で働きたい」。もうひとつは「商社の仕事には興味があるが、海外には行きたくない」。私が人事部で受けてきた相談は、実は後者のほうが多いくらいでした。

本記事では、まず「断れるのか」から答え、続いて打診が何年目に来るのか、どういう部署だと機会が多いのかを、公表されている数字と私の見てきた範囲をもとに整理します。国内に残りやすい部署、総合商社と専門商社の違い、駐在を狙う場合の準備まで、両方の立場から見ていきます。

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駐在の有無や時期を公表している商社はほとんどありません。ただし求人票に海外勤務の可能性が書かれているかどうかは、応募前に確かめられます。

海外駐在は断れるのか|行きたくない人が国内で働き続ける道

海外駐在は断れるのか|行きたくない人が国内で働き続ける道

まずは、行きたくない側の相談から答えます。確率や時期のデータは、このあとの章で扱います。

結論から言うと、断ること自体はできます。ただし、断って終わりにはなりません。

▼断れるが、前提として知っておきたいこと

  • 総合職は勤務地を限定しない前提で採用されるため、転勤や海外赴任の打診には応じることが基本になっている
  • 一度断っても打診が来なくなるわけではなく、数年後にまた声がかかることが多い
  • 断ったことは上司や部門に伝わり、次の打診のときに考慮されると感じてきた(2つ目と3つ目は、私の見てきた範囲です)

各社とも「断った場合にどうなるか」は公表していません。公表されているのは逆側、つまり会社が海外での経験をどう位置づけているかのほうです。

会社によっては、海外での経験を育成の前提に組み込んでいます(三菱商事の例を「新卒が海外に出る割合」の章で紹介します)。断り続けた場合に何が起きるかは、この設計から考えるほかありません。

▼断ったあとに起きること(私が社内で見てきた範囲)

  • 断った翌年に評価が下がる、といった直接的な扱いは見たことがない
  • ただし同期のなかでは、駐在を経験した人から先に管理職に上がっていった
  • 国内で成果を出し続けることが駐在経験の代わりとして通用するかは、部門によって差がある

これは統計ではなく私の実感で、会社としての方針を示したものではありません。

▼国内に残りやすい仕事はあるのか

商社の仕事は営業部門だけではありません。経理、法務、人事、IT、審査といったコーポレート部門は、営業部門に比べれば海外拠点への異動が少ない傾向があります。

ただし、ゼロではありません。総合職として採用される以上、勤務地を限定しない前提そのものは変わらないからです。

一度も駐在せずに勤め上げる人は実際にいます。ただ、その人たちが国内を選び取ったというより、担当した事業がたまたま国内で完結していた、というほうが実感に近いです。

▼断る理由として通りやすいもの、通りにくいもの

私の見てきた範囲で通りやすいと感じたのは、会社の制度に紐づく理由です。介護、配偶者の勤務、本人や家族の健康がこれにあたります。制度として整備している会社もあります。

三菱商事は、配偶者の国内外転勤に同行するために退職した社員を一定の条件で再雇用する「配偶者の国内外転勤に伴う再雇用制度」を設けており、2025年度の申立者は11名でした。同じ年度の介護休暇の取得者は260名です(出典:三菱商事 ESGデータ2026)。いずれも駐在を断った人数ではありませんが、家族の事情に配慮する制度を会社が持っていることは数字で確かめられます。

逆に通りにくいのは「英語が苦手だから」「海外に興味がないから」です。前者は入社後に伸ばす前提で採用されており、後者は総合職の前提と正面から食い違うためです。

▼それでも行きたくないなら、入り口で選ぶ

入社してから断り方を考えるより、最初から海外赴任の少ない会社を選ぶほうが確実です。専門商社は扱う分野によって海外比率が大きく違い、国内流通が中心の分野なら駐在の機会自体が限られます。どちらが自分に合うかは専門商社と総合商社の選び方で整理しています。

海外に行きたくないという気持ちが、商社そのものへの違和感から来ている場合もあります。その見極めは商社に向いてない人の特徴が参考になります。

駐在の打診は何年目に来るか|1回の期間と2回目以降

駐在の打診は何年目に来るか|1回の期間と2回目以降

「何年目で行くのか」「1回でどのくらいの期間なのか」も、よく聞かれる質問です。

▼時期と期間の目安(私が見てきた範囲)

  • 最初の駐在は入社5〜8年目が多い
  • 1回の駐在は3年から5年が多い
  • 2回目以降は、1回目の赴任先と担当した事業で決まることが多い

同じ年次でも、20代のうちに1回目が来る人と、30代に入ってから来る人に分かれます。

これも統計ではなく実感です。各社とも年次別の駐在者数は公表していません。

なお、駐在に語学の要件を設けている会社もあります(双日の例は「求められる語学力の実態」で紹介します)。

要件に届いていなければ、打診が来る時期は後ろにずれやすい、というのが私の見てきた範囲です。ただし、語学を伸ばさないことを駐在を避ける手段にはできません。評価や配属にも響くためです(私の実感)。語学の準備をいつから始めるかは商社転職の英語力にまとめています。

駐在が1回で終わるのか、2回目3回目と続くのかは、その後のキャリアの組み立て方によっても変わります。商社転職のキャリアパスもあわせてご覧ください。

新卒が海外に出る割合|公表されている数字の範囲

新卒が海外に出る割合|公表されている数字の範囲

商社に入れば、すぐ海外に出られるわけではありません。入社直後に海外へ赴任する人はほとんどおらず、最初の数年は国内で商品知識や社内外の人脈を身につけるのが一般的です。

では、キャリア全体ではどうか。公表されているもので最も踏み込んでいるのは三菱商事で、サステナビリティサイトの人材開発のページに、海外派遣制度を通じて「原則として入社8年目までに全職員に海外経験を積ませています」と書いています。「一部の優秀な社員だけ」ではなく「全職員」、しかも「8年目まで」という期限つきです。ただし、ここでいう海外経験には語学・実務の研修や長期出張も含まれ、駐在そのものの時期を示した数字ではありません。他の総合商社は同種の数字を出していません。

海外駐在は、どこまで公表されているか

キャリアのどこかで海外赴任を経験する社員の割合を公表している会社はなく、突き合わせられる統計もありません。私の実感では、総合商社で一度も駐在しないまま勤め上げる人は少数派です。ただし、これは「一度でも経験する」という話で、何度も長く駐在するという意味ではありません。

5大総合商社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)の海外拠点数は、各社の会社概要で85〜109拠点です(三菱商事98/三井物産108/伊藤忠商事85/住友商事102/丸紅109。基準日は2026年3月末〜10月1日で、数え方は会社ごとに少しずつ違います)。国内拠点は7〜21拠点です。展開している国・地域は、三井物産と住友商事が62、伊藤忠商事が60です。

拠点が多い会社ほど、駐在のポストも多いと考えられます。

大手総合商社の単体の従業員数は4,196名〜5,333名です(2026年時点の各社会社概要。三井物産5,333/住友商事5,056(海外支店・事務所が雇用する118人を含む)/三菱商事4,456/丸紅4,225/伊藤忠商事4,196)。このうち何人が常時海外に駐在しているかを公表している5大商社はありません。数少ない例が双日で、TOEICを運営するIIBCの活用事例で、約2,300名の社員のうち2割にあたる450名ほどが常時海外に駐在していると紹介されています(取材当時の数字です)。

入社後5年以内、10年以内といった区切りで海外赴任を経験した人の割合も、どの商社も公表していません。私の見てきた範囲では、入社5年以内に出る人は一部で、10年以内まで広げるとかなり増えます。

会社による違いもあります。資源ビジネスの比重が大きい会社ほど海外の事業会社に出向する形の駐在が多い傾向があります(私の見てきた範囲)。志望する会社の有価証券報告書で、どの地域・どの事業で稼いでいるかを見ておくと、赴任先の傾向がつかめます。

もうひとつ見ておきたいのは駐在の中身です。駐在員事務所の管理業務なのか、現地法人や出資先の経営に関わるのかで、キャリアへの影響はまったく違います。

海外に出る機会がいちばん変わるのは配属部署で、海外との取引が中心の部署と国内業務中心の部署では大きく違います(部署ごとの違いは「海外に出やすい部署・出にくい部署」で扱います)。

転勤のタイミングについて詳しく知りたい方は「商社の転勤はいつ・どこへ」も参考にしてください。

海外赴任の機会を考える上で「総合商社と専門商社の違い」を理解しておくと、より具体的なイメージが持てます。

専門商社の場合と総合商社との違い

専門商社の場合と総合商社との違い

専門商社は、食品・化学品・鉄鋼・機械・繊維など特定の分野に絞って事業をしている商社です。海外展開の度合いは会社によって大きく違い、海外売上の比率が高い会社ほど海外勤務の機会は多く、国内流通が中心の会社では機会そのものが限られます(どちらも割合を公表している会社はありません)。

見分けるには、有価証券報告書の地域別の売上や、関係会社の一覧を見てください。上場している専門商社なら、どの国に子会社があるかがそこで分かります。

もうひとつの違いは赴任先の幅です。専門商社は事業と結びついた地域に拠点が集まるため、特定の地域に詳しくなれる一方、いろいろな地域を回る機会は総合商社より少なくなりやすいと考えられます。

中期経営計画で、どの地域への投資を強めているか、新しい拠点を出す予定があるかも確かめておきましょう。海外での展開を広げている会社ほど、若手が海外に出る機会も増えやすくなります。

総合的なキャリア観点から「商社新卒のメリット・デメリット」を確認すると、海外赴任の実態も含めた判断がしやすくなります。

海外に出やすい部署・出にくい部署

海外に出やすい部署・出にくい部署

同じ会社に入っても、海外に出る機会は配属で大きく変わります。商社の部署は、商品や事業を担当する営業部門と、人事・経理・法務などのコーポレート部門に分かれ、海外赴任の機会が多いのは営業部門です。コーポレート部門でも、海外の現地法人の経理や管理を担う形で駐在することはあります。

営業部門のなかでは、生産の現場が海外にある資源・エネルギー分野が、海外に出る人がいちばん多い分野です。プラントや電力などのインフラ案件を扱う機械・インフラ分野がそれに続き、化学品・食品・生活消費財は、海外の拠点もある一方で国内営業の役割も大きく、配属先によって差が出ます。国内の小売・流通向けの部署では、海外赴任の機会は少なくなります(いずれも割合を公表している商社はなく、私の見てきた範囲での順番です)。

仕事の型でも違いがあります。トレーディング中心の部署では取引先が海外にあるためほかの部署より比較的早めに海外に出ることが多く、事業投資の部署では、ある程度経験を積んでから出資先の会社へ出向する形で海外に出ることが多くなります。

海外に行きたくない人にとっては、この順番を裏返したものが、国内に残りやすい配属の目安になります。

配属の希望がどこまで通るかは会社によって違い、希望どおりになるとはかぎりません。それでも、面接や配属の面談で関心のある地域や事業を具体的に伝えておくことには意味があります。入社後も、キャリア面談や自己申告の場で希望を伝え続けてください。

就活中・内定後にしておきたい準備

就活中・内定後にしておきたい準備

就活の段階でできる準備は、語学、海外での経験、専門分野の3つです。

語学は、点数より英語で説明し相手を説得できるかが大事です(求人票の目安と実態は「求められる語学力の実態」で扱います)。オンライン英会話や留学生との交流など、実際に使う場を自分で作ってください。

海外での経験は、そこで何をして何を学んだかを言葉にできるかが見られます。留学が難しければ、海外でのボランティアやインターンシップでも構いません。

専門分野は、自分の学んできたことと商社の事業の接点を説明できれば強みになります。私が面接で印象に残ったのは、「この知識は御社のこの事業でこう生かせる」と具体的に話せる学生でした。

選考では、語学力や海外経験とあわせて、海外で働く意欲が具体的かどうかが見られます。「なぜ海外で働きたいのか」「どの地域に関心があるのか」は聞かれることが多いので、答えを準備しておいてください。留学や旅行での気づき、その国の経済への見方など、自分の経験に根ざして答えられる人は印象に残ります。

内定後は配属の希望を聞かれることが多く、第一希望だけでなく第二・第三希望と、その理由まで具体的に書いておくと真剣さが伝わります。配属は本人の適性と部署の必要、会社がどの事業を強めるかで決まります。

最初の配属で希望が叶わなくても、社内公募や異動で数年後に移る道はあります。一度の配属ですべてが決まるわけではありません。

入社後にチャンスを広げるキャリア戦略

入社後にチャンスを広げるキャリア戦略

入社後にまず大事なのは、配属された部署で成果を出すことです。海外赴任はご褒美ではなく、現地で任せられると判断された人に回ってくるものなので、国内での実績と周りからの信頼がその前提になります。

短期の海外出張や海外案件のプロジェクト、社内公募には、機会があれば手を挙げてください。海外駐在の経験者や海外事業に関わる先輩から話を聞いておくと、どの部署にどんな機会があるかも見えてきます。

特定の商品や業界に詳しくなっておくことも、海外案件で声がかかるきっかけになります。私自身、担当した商品の知識を深めたことが、のちの海外赴任につながったと思っています。

商社以外でも海外駐在を目指したい方、または商社以外のグローバル企業で駐在の確率を高めたい方へおすすめの参考記事があります。

【現役駐在員が解説】海外駐在員になるには?高確率で選ばれる方法5つ(海外勤務が多い企業も紹介)

「海外キャリアのみちしるべ」は、海外キャリア形成に特化したメディアサイトです。

筆者は大手グローバル自動車メーカーのマーケティング課長として、エジプト、サウジアラビア、UAE、アメリカ、南アフリカで計5カ国7年超の海外駐在経験を持つ現役ビジネスパーソンです。

帰国子女ではない一般的な日本人が、いかにしてグローバルキャリアを構築するかという視点から、海外駐在に選ばれる人の特徴、転職エージェントの活用法、MBA取得体験談、異文化理解、海外生活のノウハウなど幅広いコンテンツを発信しています。

また、2026年には米国のIACC(International Association of Career Coach)にてグローバルキャリアコーチ資格を取得し、プロフェッショナルなキャリア支援も提供しています。

商社特有の駐在ルートに加え、日系大手・外資系・ベンチャーなど多様な選択肢を知ることで、あなたの海外駐在確率をさらに高められるはずです。

求められる語学力の実態

求められる語学力の実態

海外赴任の語学要件を公表している商社はほとんどありません。数少ない例が双日で、人事制度上の海外赴任要件をTOEIC L&Rで650点から730点に引き上げ、あわせてスピーキング130点・ライティング140点のガイドラインを設けたと紹介されています(出典:TOEICを運営するIIBCの活用事例。内容は取材当時のもの)。キャリア採用の求人票のTOEICの目安は会社と募集で違い、たとえば三井物産は35件中23件が「800点以上」(いずれも「目安・応募時に必須の条件ではない」と注記。2026年11月確認)、豊田通商は求人の大半で必須要件に「TOEIC730点以上」と書いています。合否の基準スコアを公表している商社はありません。

実際の仕事で英語を使うのは、会議での発言、契約書や報告書の読み書き、交渉の場面です。相手の英語もアメリカ英語だけでなく、アジアや中東などさまざまな地域の英語になります。点数が高くても、英語で自分の主張を筋道立てて伝えられなければ苦労します。

英語以外では、中国語、スペイン語、ポルトガル語、アラビア語などが、商社の拠点がある地域の言語です。できれば担当できる仕事の幅は広がりますが、語学別の駐在員数を公表している商社はないので、求人票の歓迎要件に現地語が入っているかどうかで判断してください。

入社後は、社内の語学研修や補助の制度があれば活用し、海外拠点とのメールや電話会議など、日々の仕事で英語を使う場を増やすのが近道です。私も30年以上、語学の勉強は続けてきました。

赴任先の地域と生活環境

赴任先の地域と生活環境

赴任先の地域別の内訳を公表している商社はありません。私自身はシンガポール、インドネシア、中東の3回駐在しました。ここからは私が見てきた範囲での印象です。

いちばん多いのはアジアで、中国や、タイ・シンガポール・ベトナム・インドネシアなどの東南アジアには多くの商社が拠点を持っています。最初の赴任先としてもアジアが多い印象です。北米や欧州は、ある程度経験を積んでから出ることが多く、中東・アフリカや中南米は、資源やインフラ、農産物の事業と結びついた赴任が中心になります。

赴任先は、本人の希望、語学力、専門性、現地の必要をあわせて決まります。希望の国にそのまま行けるとはかぎりませんが、「アジア」「新興国」といった大枠の希望は伝えておく意味があります。

生活環境も赴任先で大きく違います。家族を連れて行けるか、医療・教育・治安はどうかは、家族がいる人にとって赴任を受けるかどうかを左右する条件になります。

実際の駐在生活はどのようなものか、待遇や日常のリアルを知りたい方も多いでしょう。

そんな方は、こちらのブログもぜひ参考にしてください。

→ 駐在BASE(chuzai-base.com)
商社を含む大手企業の海外駐在実態、給与・手当の詳細、家族帯同のポイント、帰任後の注意点などを元駐在員の視点で詳しく解説しています。

商社の海外駐在まとめ|何年目に来るか、行きたくない人の選択肢

商社の海外駐在まとめ|何年目に来るか、行きたくない人の選択肢

先に、行きたくない側の結論だけ繰り返しておきます。打診を断ること自体はできます。ただし総合職は勤務地を限定しない前提で採用されており、断ったことは上司や部門に伝わり、数年後にまた声がかかることが多い、というのが私の見てきた範囲です。国内に残りやすいのは経理・法務・人事・IT・審査といったコーポレート部門ですが、海外への異動がゼロになるわけではありません。それでも行きたくない気持ちがはっきりしているなら、海外比率の低い会社を入り口で選ぶほうが確実です。部署は配属で決まるため、希望は伝えられても選べるとはかぎりません。

駐在の時期は、最初が入社5〜8年目、1回の期間は3年から5年が多い、というのが私の見てきた範囲です。総合商社では、海外赴任は例外ではなくキャリアの一部です。

行きたい側にとっては、配属部署がいちばん大きな分かれ目です。資源・エネルギーや機械・インフラの分野は海外に出る機会が多く、国内流通向けの部署は少なくなります。語学と国内での実績を積み、希望を具体的に伝え続けることが、機会を引き寄せることにつながります。

この記事が、海外駐在を前向きに考える人にも、できれば避けたい人にも、判断の材料になれば幸いです。

▼本記事の重要ポイント

  • 海外駐在の打診は断れるが、数年後にまた来ることが多い。総合職である以上、国内に残りやすい部署はあっても、海外異動の可能性はゼロにはならない
  • 最初の駐在は入社5〜8年目、1回の期間は3〜5年が多い(私の見てきた範囲。年次別の駐在者数は各社とも非公表)
  • 三菱商事は「原則として入社8年目までに全職員に海外経験」(研修・長期出張を含む)と公表。他社は割合を公表していない
  • 海外に出る機会が多いのは資源・エネルギー、機械・インフラなど、事業の現場や取引先が海外にある部署
  • 専門商社の海外勤務の機会は、会社の海外展開の度合いによって大きく違う
  • 語学の要件が分かるのは双日の例(TOEIC L&R 730点+S130・W140。IIBCの活用事例、取材当時)くらい。求人票の目安は会社と募集で違う(三井物産は800点以上が多い)
  • 行きたくない人は、入社後に断るより、海外比率の低い会社を入り口で選ぶほうが確実(部署は配属で決まる)

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