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はじめに
「商社で働いてみたい」「グローバルな仕事に携わりたい」そんな夢を抱いている女性の皆さん、こんにちは。
商社業界で30年間働いてきた私が、新卒で商社を目指す女性の皆さんに向けて、リアルな働きやすさの実態をお伝えします。
近年、商社業界では女性活躍推進が大きなテーマとなっています。
総合商社を中心に、女性管理職の比率向上や育児支援制度の充実など、様々な取り組みが進められているのは事実です。
しかし、実際のところ本当に働きやすい環境なのでしょうか?
この記事では、商社業界の現場で長年過ごしてきた経験をもとに、新卒女性が知っておくべき働きやすさの実態を包み隠さずお伝えします。
華やかなイメージの裏にある現実、そして確実に変化している業界の姿を、データと実体験の両面から徹底的に解説していきます。
就職活動中の学生さんはもちろん、転職を考えている社会人女性にとっても、商社選びの判断材料として役立つ内容になっています。
私自身、入社当時は女性社員が極めて少なく、働きやすさとは程遠い環境でした。
しかし、時代とともに商社は大きく変わってきています。
その変化の過程を肌で感じてきたからこそ、お伝えできることがあると信じています。
ぜひ最後まで読んで、あなたの商社選びに活かしてください。
商社は新卒女性にとって本当に働きやすい環境なのか?業界の実態

商社と聞いて、皆さんはどんなイメージを持っていますか?
「高収入」「海外駐在」「グローバルなビジネス」といったポジティブなイメージと同時に、「激務」「男性社会」といったネガティブなイメージも根強く残っているのではないでしょうか。
実際のところ、商社業界の働きやすさは企業によって、そして配属部署によって大きく異なります。
まず理解していただきたいのは、商社には大きく分けて「総合商社」と「専門商社」の2種類があるということです。
総合商社とは、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅といった大手企業で、あらゆる商品やサービスを扱う商社のことです。
一方、専門商社は、鉄鋼、化学品、食品、繊維など特定の分野に特化した商社を指します。
この2つのタイプでは、働きやすさの傾向が大きく異なるため、自分に合った選択をすることが重要です。
私が新卒で入社した30年前と比べると、商社の女性を取り巻く環境は劇的に改善されています。
当時は女性総合職がまだ珍しく、「女性は一般職」という固定観念が強く残っていました。
しかし現在では、多くの総合商社で新卒採用における女性比率が30〜40%程度まで上昇しています。
三菱商事では2024年度の総合職新卒採用において、女性比率が約45%に達したというデータもあります。
これは単なる数字の変化だけでなく、企業文化そのものが変わってきている証拠と言えるでしょう。
ただし、❗採用時の女性比率が高くても、その後の定着率や管理職登用率が低ければ、本当の意味での働きやすさとは言えません。
実際、多くの商社では入社後5年、10年という節目で女性社員の離職が増える傾向があります。
その主な理由は、結婚・出産といったライフイベントと、商社特有の働き方との両立の難しさにあります。
海外駐在や頻繁な出張、長時間労働といった商社ならではの働き方が、ワークライフバランスを求める女性にとって壁となることも少なくありません。
しかし、近年は働き方改革の流れを受けて、多くの商社が制度改革に取り組んでいます。
リモートワークの導入、フレックスタイム制の拡充、育児短時間勤務の延長など、柔軟な働き方を支援する仕組みが整いつつあります。
私が実際に見てきた中で、最も大きな変化は「女性の働き方に対する男性社員の意識」です。
以前は育児休業を取得する女性に対して否定的な見方をする上司もいましたが、今ではそのような態度は完全にハラスメントとして認識されるようになりました。
制度だけでなく、職場の雰囲気や文化が変わってきたことこそが、真の働きやすさにつながっていると感じています。
商社での新卒女性の働きやすさを左右する3つの重要ポイント

商社で働く新卒女性の働きやすさは、次の3つの重要なポイントによって大きく左右されます。
それは「配属部署」「上司・同僚との関係」「企業の制度と文化」です。
配属部署による働きやすさの違い
まず最初に理解すべきは、配属部署によって働きやすさが劇的に変わるという現実です。
商社の部署は大きく「トレーディング部門」「事業投資部門」「管理部門」に分類されます。
トレーディング部門とは、商品の売買を中心に行う部署で、商社の伝統的な機能を担っています。
この部門では、時差のある海外との取引が多く、早朝や深夜の対応が求められることもあります。
一方、事業投資部門は、企業への出資や事業経営に関わる部署で、中長期的な視点でのプロジェクトマネジメントが中心となります。
管理部門には、人事、経理、法務、広報といった間接部門が含まれます。
一般的に、管理部門が最も働きやすく、トレーディング部門が最も忙しいという傾向がありますが、これは企業や取り扱う商材によっても異なります。
私の経験では、エネルギーや資源を扱う部署は市況の変動が激しく、緊急対応が多い傾向にあります。
一方、消費財や食品を扱う部署は比較的計画的に業務を進められることが多いです。
新卒で配属される部署は必ずしも希望通りにはなりませんが、入社後のキャリア面談などで希望を伝え続けることが重要です。
上司・同僚との関係性
次に重要なのが、職場の人間関係、特に直属の上司との関係です。
どんなに素晴らしい制度があっても、上司の理解がなければ活用することはできません。
❗育児休業や時短勤務を取得しやすい雰囲気があるかどうかは、上司の価値観に大きく依存します。
最近では、女性のキャリア支援に積極的な管理職も増えてきましたが、依然として「仕事最優先」の価値観を持つ上司も存在します。
私が見てきた中で、働きやすい職場に共通していたのは「お互いをサポートし合う文化」があることでした。
子育て中の社員が早く帰る日は、他のメンバーがフォローする。
その代わり、別の日には逆の立場になる。
こうした助け合いの文化が根付いている部署では、女性が長く働き続けられる傾向があります。
同期や先輩の女性社員とのネットワークも非常に重要です。
社内の女性コミュニティに参加することで、様々な部署の情報を得られますし、悩みを相談できる仲間ができます。
企業の制度と文化
3つ目のポイントは、企業全体の制度設計と組織文化です。
制度面では、育児休業、介護休業、時短勤務、フレックスタイム、リモートワークなど、様々な支援策があります。
大手総合商社の多くは、法定を上回る手厚い制度を用意しています。
例えば、育児休業は最長3年取得可能、復職後の時短勤務は小学校卒業まで利用可能といった企業もあります。
しかし重要なのは、制度があることではなく、実際に活用しやすい雰囲気があるかどうかです。
「制度はあるけれど、使うとキャリアに響く」という暗黙の了解がある企業では、真の働きやすさは実現できません。
最近では、男性の育児休業取得を推進する企業も増えており、これが職場全体の意識改革につながっています。
企業文化の面では、「長時間働くことが評価される」という価値観から、「成果で評価する」文化への転換が進んでいます。
ただし、この変化のスピードは企業によって大きく異なります。
就職活動や転職活動では、採用面接での質問や、OG訪問などを通じて、実際の働き方や雰囲気を確認することが極めて重要です。
総合商社と専門商社、新卒女性の働きやすさはどちらが上?

商社を目指す女性からよく聞かれる質問の一つが、「総合商社と専門商社、どちらが働きやすいですか?」というものです。
結論から言うと、一概にどちらが良いとは言えませんが、それぞれに特徴があります。
総合商社の働きやすさの特徴
総合商社の最大の特徴は、規模が大きく、制度が充実していることです。
五大商社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)をはじめとする大手総合商社は、女性活躍推進に多額の投資をしています。
育児支援制度、キャリア研修、メンター制度など、女性が長く働き続けるためのサポート体制が整っています。
また、社員数が多いため、同じような境遇の女性社員と出会いやすく、ロールモデルを見つけやすいというメリットもあります。
私の同期でも、総合商社で管理職として活躍している女性が何人もいます。
大企業ならではの研修制度や、様々な部署を経験できるジョブローテーションも、キャリア形成の観点からは大きなメリットです。
一方で、総合商社のデメリットとしては、競争が激しく、プレッシャーが大きいという点があります。
優秀な同期が多い環境では、常に高いパフォーマンスを求められます。
また、グローバル展開が前提となるため、海外駐在の可能性が高く、ライフプランとの調整が難しい場合もあります。
❗海外駐在は貴重な経験ですが、パートナーのキャリアや子育てとの両立を考えると、タイミングが重要になります。
総合商社では、30代前半での海外駐在が一般的なキャリパスになっていることが多く、これが結婚・出産のタイミングと重なるため、女性にとっては難しい選択を迫られることがあります。
ただし、最近では配偶者帯同や、国内でのキャリア形成を選択できる企業も増えてきています。
専門商社の働きやすさの特徴
専門商社は、特定の分野に特化しているため、その業界の専門性を深く身につけることができます。
総合商社に比べると規模は小さいですが、その分、一人ひとりの裁量が大きく、若手のうちから責任ある仕事を任されることが多いです。
働きやすさの面では、専門商社は総合商社に比べて「アットホーム」な雰囲気の企業が多い傾向があります。
社員数が少ないぶん、一人ひとりの事情に柔軟に対応してくれる企業も多く見られます。
中小規模の専門商社では、社長との距離が近く、直接相談できる環境があるケースも珍しくありません。
また、専門商社は国内取引が中心の企業も多く、海外駐在のプレッシャーが少ないという点も、ワークライフバランスを重視する女性にとってはメリットとなります。
一方、専門商社のデメリットとしては、制度面で総合商社ほど充実していない場合があることです。
育児休業や時短勤務などの基本的な制度はあっても、復職支援プログラムやメンター制度など、きめ細かなサポートは限定的なことが多いです。
また、女性管理職のロールモデルが少ない企業もまだ多く、キャリアパスが見えにくいという課題もあります。
給与面では、総合商社に比べると見劣りする場合が多いですが、その分、残業が少なく、プライベートの時間を確保しやすい傾向があります。
どちらを選ぶべきか
総合商社と専門商社、どちらを選ぶべきかは、あなたの価値観とキャリアビジョン次第です。
「グローバルに活躍したい」「高い報酬を得たい」「大きなプロジェクトに携わりたい」という志向が強い方は、総合商社が向いているでしょう。
一方、「専門性を深めたい」「ワークライフバランスを重視したい」「アットホームな環境で働きたい」という方は、専門商社の方がフィットする可能性が高いです。
私の経験から言えるのは、どちらを選んでも、最終的には「その会社の文化が自分に合うか」が最も重要だということです。
企業規模や知名度ではなく、実際に働いている人の話を聞き、自分の目で確かめることが大切です。
商社の新卒女性が直面する働きやすさの課題とは

商社で働く新卒女性が直面する課題は、時代とともに変化していますが、依然として解決すべき問題も存在します。
ここでは、現場で実際に起きている課題について、率直にお伝えします。
長時間労働と働き方改革の現実
商社業界は伝統的に長時間労働が常態化していた業界です。
近年、働き方改革の推進により、状況は改善傾向にありますが、部署によっては依然として厳しい労働環境が残っています。
特にトレーディング部門では、時差のある海外との取引があるため、早朝や夜間の対応が必要になることがあります。
私が若手の頃は、終電で帰るのが当たり前でしたが、今では22時以降の残業は原則禁止という企業も増えています。
しかし、制度と現実には乖離があることも事実です。
「22時には退社するが、仕事は自宅で続ける」という隠れ残業が問題になっている企業もあります。
リモートワークの普及により、仕事とプライベートの境界が曖昧になり、かえって労働時間が増えたという声も聞かれます。
新卒で入社したばかりの女性は、「早く帰りたいけれど、周りが残業している中で帰りづらい」という雰囲気に悩むことも多いです。
❗特に新人のうちは、業務習得のために長時間働かざるを得ない状況も発生します。
この課題に対しては、上司や先輩に相談し、効率的な働き方を学ぶことが重要です。
また、企業選びの段階で、実際の労働時間や残業の実態をOG訪問などで確認することをお勧めします。
海外駐在とライフプランの両立
商社のキャリアにおいて、海外駐在は重要なステップとされています。
しかし、女性にとっては、結婚や出産といったライフイベントとの調整が大きな課題となります。
多くの総合商社では、入社5〜10年目で最初の海外駐在を打診されることが一般的です。
この時期は、ちょうど結婚や出産を考える年齢と重なるため、女性社員は難しい選択を迫られます。
私の同期でも、海外駐在のオファーを受けるかどうかで悩み、最終的にキャリアを諦めた女性が何人もいました。
最近では、配偶者帯同での駐在や、駐在期間の短縮、国内でのキャリア形成を選択できる企業も増えてきています。
また、独身女性の海外駐在も増えており、性別に関係なく活躍できる土壌は整いつつあります。
しかし、駐在先での出産・育児サポートが十分でない国もあり、女性ならではの不安を抱える社員も多いのが現実です。
この課題については、企業側も試行錯誤しながら対応策を模索している段階と言えます。
マミートラックの問題
マミートラックとは、出産・育児後の女性が、責任の軽い仕事ばかり任されるようになり、キャリアアップの機会を失ってしまう現象のことです。
商社業界でも、この問題は依然として存在しています。
育児休業から復帰した女性が、時短勤務を選択すると、重要なプロジェクトから外されたり、補助的な業務ばかり任されたりするケースがあります。
❗これは企業側の配慮のつもりであっても、本人にとってはキャリアの停滞を意味します。
時短勤務でも成果を出している女性社員はたくさんいるのに、「時短=戦力外」という偏見が根強く残っている職場もあります。
この問題の背景には、「長時間働くことが貢献」という古い価値観があります。
解決には、成果で評価する人事制度の確立と、管理職の意識改革が不可欠です。
最近では、時短勤務でも管理職に登用する企業や、裁量労働制を導入して働く時間ではなく成果で評価する企業も出てきています。
自分のキャリアを諦めないためには、復職後も明確に自分の意思を伝え、チャレンジングな仕事を積極的に求める姿勢が重要です。
無意識のバイアスとジェンダーギャップ
商社業界は、長年男性中心の社会でした。
そのため、無意識のバイアス(偏見)が組織文化に根付いている場合があります。
例えば、「女性は結婚したら辞める」「女性には海外駐在は向かない」といった思い込みです。
こうしたバイアスは、本人が意識していなくても、人事評価や配属、昇進に影響を与えることがあります。
最近では、アンコンシャス・バイアス研修を実施する企業も増えていますが、意識を変えるには時間がかかります。
また、男女の賃金格差も、徐々に縮小しているものの、完全には解消されていません。
これは主に、管理職における女性比率の低さが影響しています。
私が入社した当時は、女性管理職はほぼゼロでしたが、今では各社とも女性管理職比率の目標を掲げ、積極的に登用を進めています。
変化は確実に起きていますが、まだ道半ばというのが正直な感想です。
新卒で商社に入社した女性のキャリアパスと働きやすさの関係

商社でのキャリアパスは多様化しており、女性が活躍できるフィールドも広がっています。
ここでは、典型的なキャリアパターンと、それぞれの働きやすさについて解説します。
総合職としてのキャリアパス
新卒で総合職として入社した女性の典型的なキャリアパスは、以下のようになります。
入社後1〜3年は、配属部署での基礎業務を学び、商社ビジネスの全体像を理解する期間です。
この時期は、先輩社員のサポートを受けながら、取引先との関係構築や契約実務などを経験します。
この期間の働きやすさは、配属部署と上司によって大きく左右されます。
入社3〜7年目頃には、独り立ちして案件を任されるようになります。
この時期に、海外トレーニー制度(数ヶ月〜1年程度の海外研修)や、海外MBAへの派遣などのチャンスが訪れることもあります。
入社7〜10年目頃には、初めての海外駐在や、国内での重要プロジェクトのリーダーを任されることが多くなります。
ここが一つの分岐点で、マネジメント職を目指すか、スペシャリストとして専門性を深めるかを選択する時期でもあります。
入社10年以降は、課長クラスのマネジメント職に就くか、特定分野のエキスパートとして活躍するキャリアに分かれます。
❗この段階で、多くの女性が結婚・出産といったライフイベントを経験し、キャリアとの両立が最大の課題となります。
最近では、育児と両立しながら管理職に昇進する女性も増えていますが、依然として「マネジメント職=長時間労働」というイメージが強く、時短勤務との両立に悩む女性も多いです。
専門職・スペシャリストとしてのキャリア
総合職とは別に、特定分野の専門職として採用される場合もあります。
法務、経理、IT、人事といった専門職は、ワークライフバランスを保ちやすく、女性に人気があります。
専門職のメリットは、専門性を活かして長く働き続けられることと、比較的予測可能なキャリアパスがあることです。
一方で、総合職に比べると昇進のスピードが遅かったり、給与水準が低かったりする場合もあります。
しかし最近では、専門職の重要性が認識され、処遇改善が進んでいる企業も増えています。
特にDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れの中で、IT人材の価値が高まっており、専門職でも高い報酬を得られるようになってきています。
事業会社への出向というキャリア
商社独特のキャリアパスとして、投資先の事業会社への出向があります。
商社は様々な企業に出資しており、そこに社員を派遣して経営に参画するケースが多くあります。
出向先では、商社とは異なる事業会社の経営を学ぶことができ、貴重な経験となります。
働きやすさの面では、出向先の企業文化によって大きく異なります。
ベンチャー企業への出向であれば、スピード感のある環境で裁量を持って働けますが、労働時間は長くなる傾向があります。
一方、大手メーカーへの出向であれば、比較的安定した環境で働けることが多いです。
私の後輩でも、出向をきっかけに自分の適性を見つけ、最終的にその会社に転籍した女性が何人もいます。
出向は、商社でのキャリアを続けるか、別の道を選ぶかを考える良い機会にもなります。
起業・独立というキャリア選択
商社で培った人脈やビジネススキルを活かして、起業する女性も増えています。
商社時代に担当していた業界で、自ら事業を立ち上げるパターンが多く見られます。
特に、貿易や商品調達に関する知識は、独立後も大いに役立ちます。
起業は大きなリスクを伴いますが、自分のペースで働けるため、ワークライフバランスを重視する女性にとっては魅力的な選択肢です。
❗ただし、起業には相応の準備と覚悟が必要です。
商社での人脈を活かせるかどうかが、成功の鍵となることも多いです。
商社の新卒女性採用における働きやすさ重視の最新トレンド

2024年から2026年にかけて、商社業界の女性採用と働きやすさに関する取り組みは、新たな段階に入っています。
最新のトレンドを押さえることで、あなたの就職活動や企業選びに役立てていただければと思います。
女性管理職比率の目標設定と情報開示
2022年に女性活躍推進法が改正され、従業員301人以上の企業は、女性管理職比率などの情報公表が義務化されました。
これを受けて、多くの商社が具体的な数値目標を掲げるようになっています。
例えば、三菱商事は2030年までに女性管理職比率を30%にするという目標を公表しています。
伊藤忠商事も同様に、2030年までに女性管理職比率20%以上という目標を設定しています。
数値目標を掲げることで、企業は本気で女性活躍推進に取り組まざるを得なくなり、これが働きやすさの改善につながっています。
就職活動では、各社の女性活躍推進に関する情報開示をチェックすることで、その企業の本気度を測ることができます。
単に「女性活躍を推進しています」と言うだけでなく、具体的な数値目標と現状の開示をしている企業を選ぶことをお勧めします。
男性の育児休業取得推進
女性の働きやすさを向上させる上で、意外に重要なのが男性の育児参加です。
2022年の育児・介護休業法改正により、男性の育児休業取得が促進されるようになりました。
商社業界でも、男性社員の育児休業取得を推進する動きが活発化しています。
住友商事では、男性社員の育児休業取得率が80%を超えるなど、大きな変化が起きています。
男性が育児に参加することで、「育児は女性の仕事」という固定観念が崩れ、職場全体の意識が変わります。
これにより、女性が育児休業を取得しやすくなるだけでなく、復職後もキャリアを継続しやすい環境が生まれています。
また、男性上司が育児を経験することで、子育て中の女性部下への理解が深まるという効果もあります。
企業選びの際には、男性の育児休業取得率も重要なチェックポイントです。
リモートワークとハイブリッド勤務の定着
コロナ禍をきっかけに導入されたリモートワークは、多くの商社で定着しつつあります。
完全リモートではなく、出社とリモートを組み合わせた「ハイブリッド勤務」が主流となっています。
例えば、「週2日はリモート、週3日は出社」といった働き方を選択できる企業が増えています。
リモートワークの導入により、通勤時間が削減され、ワークライフバランスが改善したという声が多く聞かれます。
❗ただし、リモートワークには孤独感や、コミュニケーション不足といった課題もあります。
特に新卒で入社したばかりの社員は、先輩から学ぶ機会が減り、成長スピードが遅くなるというデメリットもあります。
各社は、リモートワークのメリットを活かしつつ、対面でのコミュニケーションの重要性も認識し、バランスの取れた働き方を模索しています。
私が見る限り、完全リモートよりも、状況に応じて柔軟に選択できるハイブリッド型が、最も働きやすいスタイルだと感じています。
キャリア採用(中途採用)の拡大
新卒一括採用が中心だった商社業界でも、キャリア採用の拡大が進んでいます。
これは、多様なバックグラウンドを持つ人材を獲得し、組織の多様性を高める狙いがあります。
特に、DX推進やサステナビリティといった新しい分野では、即戦力となる専門人材の採用が活発化しています。
キャリア採用の拡大は、新卒で入社した女性にとってもメリットがあります。
中途入社者が増えることで、年功序列の文化が薄れ、成果主義の評価制度が浸透しやすくなります。
また、様々なキャリアを持つ人が集まることで、「商社に一生いるべき」という固定観念も弱まり、柔軟なキャリア選択がしやすくなります。
サステナビリティとDE&I(多様性・公平性・包摂性)への取り組み
ESG投資の拡大に伴い、企業のサステナビリティへの取り組みが評価される時代になっています。
その中で、DE&I(Diversity, Equity & Inclusion:多様性・公平性・包摂性)は重要なテーマです。
商社各社も、女性活躍推進をDE&Iの中核に位置づけ、積極的に取り組んでいます。
単なる制度整備だけでなく、組織文化そのものを変えようとする動きが強まっているのが、最近の特徴です。
例えば、無意識のバイアス研修を全社員に実施したり、女性リーダー育成プログラムを設けたりする企業が増えています。
また、LGBTQ+への配慮や、障がい者雇用の推進など、女性以外の多様性にも目が向けられています。
多様性が高い組織は、様々な視点からの意見が尊重され、女性にとっても働きやすい環境になる傾向があります。
商社で働く新卒女性のワークライフバランスと働きやすさの現実

ワークライフバランスは、商社で働く女性にとって最も関心の高いテーマの一つです。
理想と現実のギャップを理解した上で、自分に合った働き方を見つけることが重要です。
労働時間の実態
商社の労働時間は、部署や時期によって大きく異なります。
管理部門や一部の事業部門では、19時頃には退社できる日も多くなっています。
一方、トレーディング部門や、大型案件を抱えているプロジェクトチームでは、深夜まで働くこともあります。
私の経験では、月の平均残業時間が20〜30時間程度の部署もあれば、60〜80時間に達する部署もありました。
最近は働き方改革により、多くの企業で残業時間の削減が進んでいます。
具体的には、ノー残業デー(定時退社日)の設定、22時以降の残業禁止、PCの強制シャットダウンなどの施策が導入されています。
しかし、❗業務量自体が減っていない場合、結局は仕事を持ち帰ったり、効率化のしわ寄せが新人に行ったりすることもあります。
新卒で入社する際は、OG訪問などで実際の労働時間を確認することをお勧めします。
その際、「平均」だけでなく、「繁忙期の実態」も聞くことが重要です。
有給休暇の取得状況
有給休暇の取得率も、働きやすさを測る重要な指標です。
大手商社の多くは、年間20日の有給休暇が付与され、取得率も70〜80%程度まで向上しています。
特に、夏季休暇と有給を組み合わせて、1週間程度の長期休暇を取る社員も増えています。
私が入社した頃は、有給を取ることが難しい雰囲気がありましたが、今では取得を推奨する文化に変わっています。
ただし、これも部署によって差があり、顧客対応が中心の部署では、まとまった休暇を取りにくいこともあります。
また、休暇中も携帯電話やメールをチェックせざるを得ない状況もあり、完全に仕事から離れるのは難しい場合もあります。
最近では、リフレッシュ休暇制度や、勤続年数に応じた特別休暇など、長期休暇を取得しやすい制度を導入する企業も増えています。
出産・育児との両立
商社で働く女性にとって、最大の関心事は出産・育児との両立でしょう。
大手商社の多くは、法定を上回る手厚い育児支援制度を整えています。
▼主な育児支援制度
- 産前産後休暇(産前6週間、産後8週間)
- 育児休業(最長3年まで取得可能な企業も)
- 育児短時間勤務(小学校卒業まで利用可能な企業も)
- 子の看護休暇(年5〜10日)
- ベビーシッター費用補助
- 事業所内保育所の設置
制度面では、他業界と比べても非常に充実していると言えます。
問題は、制度を利用した後のキャリアです。
育児休業から復帰後、元のポジションに戻れるかどうか、キャリアアップのチャンスが与えられるかどうかは、企業や上司によって異なります。
最近では、復職支援プログラムを実施し、育休中の社員に情報提供したり、復職前研修を行ったりする企業も増えています。
また、時短勤務でも管理職に登用する事例も出てきており、徐々に改善が進んでいます。
❗ただし、時短勤務を選択すると、重要な案件から外されたり、昇進が遅れたりするリスクも依然として存在します。
この課題については、個人の努力だけでなく、企業全体の文化を変えていく必要があります。
配偶者の理解とサポート
商社で働く女性のワークライフバランスには、配偶者の理解とサポートが不可欠です。
共働きが当たり前になった現代でも、家事・育児の負担が女性に偏っているケースは多く見られます。
商社の仕事は、急な出張や残業が発生することもあり、パートナーの協力がなければ両立は困難です。
私の周りで、キャリアと家庭を両立できている女性は、パートナーが家事・育児に積極的に参加しているケースがほとんどです。
最近は、男性の育児休業取得が進んでいることもあり、夫婦で協力して子育てする家庭が増えています。
また、実家のサポートやベビーシッターの利用など、外部リソースを活用することも重要です。
結婚前から、パートナーとキャリアについて話し合い、お互いの価値観を確認しておくことをお勧めします。
自分なりのワークライフバランスを見つける
ワークライフバランスの理想形は、人によって異なります。
「仕事に全力投球したい」という時期もあれば、「プライベートを優先したい」という時期もあるでしょう。
重要なのは、自分の価値観を明確にし、それに合った働き方を選択することです。
商社の中でも、部署や職種によって働き方は大きく異なりますので、社内での異動を活用して、自分に合った環境を見つけることも可能です。
私自身、キャリアの中で何度も働き方を見直し、その時々の状況に合わせて調整してきました。
完璧なワークライフバランスを最初から実現することは難しいかもしれませんが、試行錯誤しながら自分なりの形を見つけていくことが大切です。
新卒女性が商社で長く働き続けるための働きやすさ改善施策

商社業界では、女性が長く働き続けられるよう、様々な施策が導入されています。
ここでは、実際に効果を上げている取り組みについて紹介します。
メンター制度とロールモデルの提示
多くの商社が、女性社員向けのメンター制度を導入しています。
メンターとは、キャリアの先輩が後輩の相談に乗り、アドバイスをする仕組みです。
特に、育児と仕事を両立している女性管理職がメンターになることで、具体的なロールモデルを示すことができます。
私自身も何人かの若手女性社員のメンターを務めてきましたが、彼女たちの悩みや不安を聞く中で、自分の経験を伝えられることに大きな意義を感じています。
メンター制度のメリットは、公式な相談ルート以外で、率直に悩みを話せる相手ができることです。
直属の上司には言いにくいことも、メンターになら相談できるというケースも多いです。
また、社内の女性ネットワークを構築することで、部署を超えた情報交換や相互サポートが可能になります。
企業によっては、女性社員向けの社内コミュニティや、定期的な交流会を開催しているところもあります。
キャリア研修とスキルアップ支援
女性のキャリア形成を支援するため、様々な研修プログラムが用意されています。
▼主なキャリア研修プログラム
- 女性リーダー育成研修
- マネジメントスキル研修
- 交渉力・プレゼンテーション研修
- 財務・会計の基礎研修
- 語学研修(英語、中国語など)
これらの研修は、業務に必要なスキルを身につけるだけでなく、自信を持ってキャリアを歩むための支援にもなっています。
特に、同じ境遇の女性社員が集まる研修では、お互いの経験を共有し、刺激を受けることができます。
また、MBA取得支援や、海外トレーニー制度など、長期的なキャリア形成を支援するプログラムも充実しています。
こうした制度を積極的に活用することで、専門性を高め、キャリアアップにつなげることができます。
柔軟な働き方を支える制度
働き方の多様化に対応するため、様々な柔軟な勤務制度が導入されています。
▼柔軟な働き方を支える制度
- フレックスタイム制(コアタイムなしのスーパーフレックスも)
- リモートワーク制度
- 時差出勤制度
- 育児短時間勤務(小学校卒業まで)
- 介護短時間勤務
- 配偶者海外転勤帯同休職制度
特に注目すべきは、配偶者の海外転勤に帯同する際に、退職せずに休職できる制度です。
❗以前は、夫の海外転勤を理由に退職せざるを得なかった女性も多かったですが、この制度により、キャリアを継続できるようになりました。
また、フレックスタイム制の拡充により、子どもの送迎や通院などの都合に合わせて働く時間を調整できるようになっています。
コアタイムを設けないスーパーフレックス制度を導入している企業もあり、働き方の自由度は確実に高まっています。
評価制度の見直し
働きやすさを実現する上で、公平な評価制度は極めて重要です。
従来の「長時間働くこと=貢献」という評価から、「成果で評価する」制度への転換が進んでいます。
具体的には、目標管理制度(MBO:Management by Objectives)や、360度評価などが導入されています。
目標管理制度では、期初に上司と部下が話し合って目標を設定し、期末にその達成度を評価します。
この制度により、時短勤務でも明確な目標を持ち、その達成度で評価されるようになりました。
また、360度評価では、上司だけでなく、部下や同僚、他部署の関係者からも評価を受けます。
これにより、多面的な視点から公平な評価が可能になります。
ただし、評価制度がどれだけ優れていても、運用する側の意識が変わらなければ意味がありません。
管理職向けの研修で、無意識のバイアスを排除し、公平に評価するスキルを身につけることも重要です。
健康管理とメンタルヘルスサポート
長く働き続けるためには、心身の健康管理も欠かせません。
多くの商社が、充実した健康管理プログラムを提供しています。
▼健康管理・メンタルヘルスサポート
- 定期健康診断(人間ドックの費用補助も)
- 婦人科検診の推奨
- 社内カウンセリングルームの設置
- 外部相談窓口(EAP:従業員支援プログラム)
- ストレスチェックの実施
- 産業医・保健師による健康相談
特に、メンタルヘルスのサポート体制は、近年大幅に強化されています。
仕事のストレスや人間関係の悩みを、専門のカウンセラーに相談できる体制が整っています。
私が若手の頃は、メンタルの不調を相談することがタブー視されていましたが、今では早期に相談することが推奨されています。
また、女性特有の健康課題に対するサポートも充実してきています。
生理休暇の取得推奨や、更年期症状への理解促進など、以前はタブー視されていたテーマも、オープンに議論されるようになっています。
復職支援プログラム
育児休業からの復職を支援するプログラムも、多くの企業で導入されています。
▼復職支援プログラムの例
- 育休中の社内情報提供(メールマガジン、社内SNSなど)
- 復職前セミナーの開催
- 復職後のフォローアップ面談
- 時短勤務者向けの業務調整
- 保育施設の情報提供・利用支援
育児休業中は、社内の情報から遠ざかり、復職への不安が大きくなりがちです。
定期的に会社の情報を提供することで、つながりを保ち、スムーズな復職をサポートします。
また、復職前には、上司や人事と面談を行い、勤務時間や業務内容について相談できる機会が設けられています。
❗復職後も定期的にフォローアップ面談を行い、困っていることがないか確認する仕組みを持つ企業もあります。
こうした丁寧なサポートがあることで、育児休業からの復職率は大幅に向上しています。
まとめ:商社は新卒女性にとって働きやすさを実現できる職場なのか

ここまで、商社業界における新卒女性の働きやすさについて、様々な角度から解説してきました。
最後に、重要なポイントをまとめます。
商社業界は、確実に女性にとって働きやすい環境に変化しています。
30年前と比べれば、制度面でも文化面でも、劇的な改善が見られます。
女性管理職の増加、男性の育児休業取得の推進、柔軟な働き方の導入など、多くの企業が真剣に取り組んでいます。
しかし、課題がすべて解決したわけではありません。
長時間労働が常態化している部署も存在しますし、無意識のバイアスも完全には払拭されていません。
海外駐在とライフプランの両立や、マミートラックの問題も、依然として多くの女性が直面する課題です。
働きやすさは、企業や部署によって大きく異なります。
総合商社と専門商社、トレーディング部門と管理部門、それぞれに特徴があり、メリット・デメリットがあります。
大切なのは、自分の価値観とキャリアビジョンを明確にし、それに合った選択をすることです。
「グローバルに活躍したい」「高い報酬を得たい」という志向が強い方には、総合商社が向いているでしょう。
一方、「ワークライフバランスを重視したい」「専門性を深めたい」という方には、専門商社や特定の部署が合っているかもしれません。
企業選びの際は、制度だけでなく、実際の運用や職場の雰囲気を確認することが極めて重要です。
OG訪問や、インターンシップ、会社説明会などを活用して、できるだけ多くの情報を集めてください。
また、入社後も、自分のキャリアは自分で切り拓く姿勢が大切です。
メンター制度や研修プログラムを積極的に活用し、スキルアップを続けること。
困ったときは遠慮せず相談し、サポートを求めること。
そして、自分の意思を明確に伝え、キャリアを諦めないこと。
商社業界は、チャレンジする女性にとって、やりがいのあるフィールドです。
グローバルなビジネスに携わり、大きなプロジェクトを動かし、社会に貢献できる仕事です。
働きやすさの面でも、確実に改善が進んでいます。
❗ただし、華やかなイメージだけで選ぶのではなく、現実をしっかり理解した上で、覚悟を持って飛び込んでください。
商社で働くことは、決して楽な道ではありませんが、努力に見合う価値のある経験が得られます。
この記事が、商社を目指す女性の皆さんの判断材料となり、納得のいくキャリア選択につながれば幸いです。
商社業界で、あなたが活躍される日を楽しみにしています。
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