商社の残業の実態|部署別に月5〜60時間、差が生まれる3つの要因

商社の残業の実態|部署別に月5〜60時間、差が生まれる3つの要因 商社の選び方

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この記事で分かること

商社への転職・就職を考えているのに、残業の実態がつかめず不安を感じている方へ。

・商社の残業は「部署・職種・担当エリア」によって月5〜60時間ほどまで大きく異なり(私の経験から見た目安)、「商社=激務」は一面的な見方に過ぎない。・残業時間を左右する3大要因(商流の複雑さ・海外との時差・働き方改革への姿勢)を理解することで、入社後のギャップを事前に防げる。・部署ごとの残業時間を公表している商社はない。有報と口コミと面談を組み合わせて自分で確かめるほかないというのが実際。

  1. はじめに
  2. ① 商社の残業の実態|部署・職種別の目安
    1. 商社の「残業」と聞いてイメージするもの、実は大きなズレがある
    2. 残業が多い部署・少ない部署の違い
      1. 残業が多くなりがちな部署
      2. 残業が比較的少ない部署
    3. 総合商社と専門商社で残業の実態は違う?
    4. 若手・中堅・管理職で残業の実態は変わるのか
  3. 商社の残業代はどう払われるのか|法律で決まっている部分
    1. みなし残業(固定残業代)の見方
    2. 残業代は出ているのに手取りが増えないと感じるとき
  4. 残業時間には法律の上限がある|36協定の見方
  5. ② 商社の残業が多い・少ないを左右する3つの要因の実態
    1. 商社の残業時間は「個人の努力」だけでは決まらない
    2. 要因① 担当する「商流」の複雑さと関係者の数
    3. 要因② 海外との「時差対応」と取引先の所在地
    4. 要因③ 会社の「働き方改革」への取り組み姿勢
    5. 「残業時間のデータ」だけで判断しないことが大切
  6. ③ 商社への転職・就職前に知っておくべき残業の実態と対策
    1. 「入ってから後悔しない」ために事前に確認すべきこと
    2. 確認ポイント① 有価証券報告書・統合報告書で数字を見る
    3. 確認ポイント② 転職口コミサイトで現場の声を拾う
    4. 確認ポイント③ 転職エージェントに募集の背景を聞く
    5. OB・OG訪問や社員との面談でリアルな声を聞く
    6. 残業の多さを「許容できるか」を自分に問いかけることも重要
  7. ④ 商社の残業実態を踏まえた転職エージェントの選び方
    1. 残業の実態を聞き出すためのエージェントの使い分け
    2. エージェントを複数登録して比較するのがおすすめ
    3. 未経験から商社を目指すなら、早めにエージェントに相談する選択肢も
    4. 商社の残業の実態を正しく理解して、後悔のない転職・就職を
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はじめに

「商社って残業がすごく多いって聞くけど、実際のところどうなの?」

転職や就活を考えている方なら、一度はこう思ったことがあるかもしれません。

商社というと、「高収入・バリバリ働く・グローバルに活躍する」というイメージを持つ方が多いと思います。

でも実際のところ、残業の実態はどうなのか、入社前の段階ではなかなかリアルな情報がつかめないですよね。

私は商社に30年以上勤めてきましたが、「商社はとにかく激務」と一言で片付けてしまうのは、少し違うなと感じています。

部署や職種、そして会社の規模によって、働き方は驚くほど違います。

「商社に入ったら毎日終電」という人もいれば、「週3日テレワークで余裕のある働き方をしている」という人もいます。

入社してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、事前にリアルな情報をしっかりつかんでおくことがとても大切です。

この記事では、商社の残業の実態を部署・職種別に掘り下げながら、転職・就職を考えているあなたに役立つ情報をていねいにお伝えします。

また、残業が多い・少ないを左右する要因や、入社前に確認すべきポイント、さらに転職エージェントの選び方まで、一連の流れで解説していきます。

商社への転職・就職を成功させるためには、残業の実態を正確に把握したうえで、自分に合った会社・部署を選ぶことが何より重要です。

どこまでが会社の公表値で、どこからが私の見てきた範囲の話なのかを分けて書きます。

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残業時間を公表しているのは一部の会社だけで、部署ごとの差までは出てきません。求人票の勤務条件と、面談での確認が現実的な手段です。


① 商社の残業の実態|部署・職種別の目安

① 商社の残業の実態|部署・職種別の目安

商社の「残業」と聞いてイメージするもの、実は大きなズレがある

商社に転職・就職を検討している方の多くが、「商社=長時間労働」というイメージを持っています。

確かに、かつての商社はモーレツに働くことが美徳とされていた時代がありました。

しかし、2019年の働き方改革関連法の施行以降、残業時間には法律の上限がかかり(大企業は2019年4月から)、各社とも管理を強めています。

各社が公表している月平均残業時間は、三菱商事11.4時間(2025年度・法定8時間を超える部分)、三井物産28.4時間(26/3期・本店および国内支社の非管理職が対象)、伊藤忠商事 約10時間(2025年度)、住友商事9時間51分(2025年度)、丸紅16.7時間(26/3期・単体)です。集計の定義が各社で異なるため単純比較はできません。三菱商事は2025年度から数え方を変えているので、前の年度の数字と並べて比べることはできません。商社のワークライフバランスで有給や育休の実態も詳しく解説しています。

ただし、これはあくまでも「会社全体の平均」の話です。

部署や担当業務によって、残業時間には驚くほど大きな差があります。


残業が多い部署・少ない部署の違い

ここで挙げる部署の傾向と「月5〜60時間」という幅は、30年以上商社で働いてきた私の実感にもとづく目安です。部署ごとの公表データはないので、会社や時期によって変わる前提で読んでください。

残業が多くなりがちな部署

商社の中でも、特に残業時間が長くなりやすい部署があります。

どんな業務を担当するかによって、残業の発生しやすさはかなり変わってきます。

▼残業が多い部署の傾向

  • トレーディング部門:為替や商品相場(コモディティ)の動きに左右されるため、市場が動く時間帯には深夜でも対応が必要になることがあります。原油・金属・農産物などを扱う場合は特にその傾向が顕著です
  • プロジェクト推進部門:大型インフラ案件や資源開発案件など、国をまたぐプロジェクトを担当する部署は、海外との時差対応のために早朝・深夜の会議が発生しがちです
  • 営業(新規開拓)部門:新しい取引先の開拓や大型契約の交渉が重なる時期は、資料作成・社内稟議・関係者調整が重なり、一時的に残業が急増する傾向があります

❗ 「トレーディング」とは、商品を仕入れて取引先に売る、商社の基本の商売のことです。相場や為替が動くとすぐに対応が必要になることがあり、業務時間が読みにくい側面があります。


残業が比較的少ない部署

一方で、比較的定時に近い時間に退社できる部署も存在します。

商社全体が激務というわけではなく、業務の性質によって働きやすさは大きく変わります。

▼残業が少ない部署の傾向

  • 管理部門(経理・人事・法務など):業務の流れが比較的規則的で、決算期・採用期などの繁忙期以外は残業が少ない傾向があります
  • 安定取引の既存営業部門:長年の取引先との関係が安定しているルート営業は、業務の見通しが立てやすく、計画的に仕事を進めやすい環境です
  • 国内物流・調達部門:国内完結の業務が多く、海外との時差対応が発生しにくいため、生活リズムが整いやすいです

私の経験からも、同じ「商社マン」でも、部署によって生活の質は大きく変わります。

中途採用なら募集ポジションで配属先がある程度決まります。入社前に「どの部署に配属されるか」をある程度把握しておくことが、長く活躍するうえで非常に重要だと痛感しています。


総合商社と専門商社で残業の実態は違う?

ここで少し基本的な話をさせてください。

総合商社と専門商社の違いは、食料・エネルギー・素材・機械・金融など、非常に幅広い分野でビジネスを展開しているかどうかです。幅広く手がけるのが総合商社です。

三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅の5社が「5大商社」と呼ばれています。

専門商社とは、特定の業種や商品分野に特化した商社のことです。

食品専門・化学品専門・IT専門など、得意分野に集中してビジネスを行います。

私の経験では、総合商社は海外案件や大型プロジェクトが多く、時差の関係で夜に会議が入ることがありました。専門商社で働いたことはないので、専門商社の残業は、口コミや面接で部署単位の話を集めて確かめてください。

ただし専門商社でも、扱う商材の特性によって残業の多さは大きく変わります。

「専門商社だから楽」とは一概には言えないため、業界・商材の特性もセットで確認することをおすすめします。


若手・中堅・管理職で残業の実態は変わるのか

商社の残業の実態を語るうえで、年次・役職による違いも見逃せません。

一般的に、入社3〜5年目の若手社員は、業務の習熟に時間がかかるため、先輩社員よりも残業時間が多くなる傾向があります。

慣れない取引先対応・社内稟議の作成・英文メールの対応など、1つひとつの作業に時間がかかってしまうのは、ある意味避けられないことでもあります。

中堅社員になると、業務のペース配分がつかめてきて、効率よく仕事をこなせるようになる方が増えます。

一方で、マネジメント業務が加わり、部下の管理や会議への出席が増えることで、別の意味での忙しさが生まれるケースも少なくありません。

管理職のうち、労働基準法の「管理監督者」にあたる人には、時間外労働と休日労働の割増賃金が出ません(深夜の割増賃金は出ます)。

❗ 「管理職だから残業代が出ない」という状況は、商社に限らず日本企業全般に見られます。役職名だけで管理監督者として扱われていないかも含めて、入社前にキャリアパスと報酬体系をセットで確認しておくことをおすすめします。


商社の残業代はどう払われるのか|法律で決まっている部分

商社の残業代はどう払われるのか|法律で決まっている部分

残業時間の話をしてきましたが、その残業にいくら払われるのかも同じくらい気になるところだと思います。

ここは会社ごとの方針ではなく、法律で下限が決まっています。まずその枠を知っておくと、求人票や内定条件を読むときに迷いません。

  • 時間外労働…1時間あたりの賃金の25%以上増し
  • 深夜労働(22時〜翌5時)…25%以上増し。時間外と重なれば合算される
  • 法定休日の労働…35%以上増し
  • 1か月60時間を超える時間外労働…50%以上増し

(出典:厚生労働省「時間外・休日労働と割増賃金」)

最後の「月60時間超で50%以上」は、以前は中小企業に猶予がありましたが、その猶予は2023年4月1日で終わりました。いまはすべての会社に適用されます。専門商社や中小の商社を見ている方も、ここは同じ条件です。

あくまで下限なので、これより手厚い会社はあります。逆にこれを下回っていれば違法です。

みなし残業(固定残業代)の見方

商社の求人票でよく見るのが「固定残業代◯時間分を含む」という書き方です。ここを読み違える方が本当に多いところです。

押さえるべきは2点だけです。

  • 提示された月給から、固定残業代を引いた額が本当の基本給。他社と比べるときは、引いたあとの数字で比べる
  • 決められた時間を超えたぶんは、別に払われなければならない。固定残業代は「これ以上は払わない」という取り決めではない

❗ 「固定残業代40時間分を含む」という求人は、月40時間の残業が前提になっている、という会社側の説明でもあります。

この記事の前半で見た部署ごとの実態と、求人票に書かれた固定残業代の時間数を並べてみてください。数字が合っていない場合は、面接で確認する価値があります。

残業代は出ているのに手取りが増えないと感じるとき

「残業したのに、思ったほど増えていない」という声もよく聞きます。計算のもとになる金額の作り方に理由があります。

割増賃金は月給の全額に掛けるのではなく、家族手当・通勤手当・住宅手当といった一部の手当を除いた金額をもとに、1時間あたりの単価を出して計算します。

ですので、手当の比率が高い会社ほど、額面の月給から想像する時間単価より、実際の残業単価は低くなります。不正が起きているわけではなく、計算のルールがそうなっているだけです。

入社前に見るなら、月給の総額ではなく「基本給と、どの手当が残業代の計算に入るか」を見てください。残業代は基本給に一部の手当を足した額から計算され、家族手当・通勤手当・住宅手当などは計算から外れます。賞与の決め方も会社ごとに違うので、あわせて確認しておくと安心です。

残業時間には法律の上限がある|36協定の見方

残業時間には法律の上限がある|36協定の見方

部署によって月5時間ほどから60時間を超えるところまで差がある、というのが私の見てきた範囲の実感です(部署別の残業時間を公表している商社はありません)。では、会社はどこまで残業させられるのか。これにも上限があります。

会社が法定の労働時間を超えて働かせるには、労使で「36協定」を結んで届け出る必要があります。その協定を結んだ上でも、超えられない線が法律で決まっています。

  • 原則…月45時間、年360時間まで
  • 特別条項を結んだ場合でも…年720時間以内(休日労働を含まない)
  • 2〜6か月の平均で80時間以内(休日労働を含む)
  • 単月で100時間未満(休日労働を含む)
  • 月45時間を超えられるのは、年6か月まで

(出典:厚生労働省 働き方改革特設サイト「時間外労働の上限規制」)

この枠を、前半で見た実態と並べてみてください。

月60時間は原則の45時間を超えるので、特別条項がなければ働かせられない時間です。しかも45時間を超えられるのは年6か月までです。60時間という数字は、忙しい月の山だと考えてください。

決算期や大きな案件のある月に山が来て、ほかの月で戻る。月平均で見ると落ち着いた数字になるのは、この山と谷がならされているからでもあります。

❗ 面接で残業の話をするときは、平均時間よりも「繁忙期に何時間くらいまで行くか」を聞くほうが実態がつかめます。

平均の数字は、山と谷を混ぜたものだからです。入ってから効いてくるのは、平均ではなく山のほうです。

② 商社の残業が多い・少ないを左右する3つの要因の実態

② 商社の残業が多い・少ないを左右する3つの要因の実態

商社の残業時間は「個人の努力」だけでは決まらない

「残業が多い・少ない」の話をすると、「自分の仕事の効率を上げれば残業は減らせる」と思う方もいます。

もちろん、個人の業務効率化は大切です。

ただ商社の場合、残業時間の多さは「個人の能力や努力」よりも、「外部環境・組織構造・担当案件の性質」によって決まることのほうが多いというのが私の実感です。

「がんばれば定時に帰れる」という話ではなく、業務の構造上、どうしても時間がかかってしまう場面が商社には多くあります。

ここでは、商社の残業の実態を左右する3つの主要因を解説します。


要因① 担当する「商流」の複雑さと関係者の数

商流(しょうりゅう)とは、商品やサービスが生産者から最終消費者に届くまでの流れのことです。

商社が担う商流は非常に複雑なケースが多く、国内外のメーカー・物流会社・銀行・保険会社・政府機関など、多数の関係者が絡み合います。

関係者が多いほど、調整業務や確認作業が増え、結果として残業時間が増加しやすくなります。自分の仕事が終わっても、関係者の確認待ちで残業が発生することがあります。関係者の多い商社ならではの事情です。

特に大型プロジェクト(インフラ整備・資源開発・工場建設など)では、多くの会社の関係者をまとめることになります。

「自分が効率よく動いても、相手が動かないと終わらない」という状況は、商社特有のもどかしさであり、同時に仕事のスケールの大きさでもあります。


要因② 海外との「時差対応」と取引先の所在地

商社の業務において、海外との取引は避けて通れません。

特に中東・アフリカ・欧州・南米など、日本と時差が大きい地域との取引が多い担当者は、深夜・早朝の会議が日常的になることがあります。

▼時差による業務負担の例

  • 中東(時差約5〜6時間):相手の営業時間に合わせると、日本時間の夕方〜深夜に連絡が集中しやすい
  • 欧州(時差約7〜9時間):夕方以降にメールや電話が増える傾向があり、残業時間に直結しやすい
  • 南米(時差約12〜13時間):真夜中の会議が発生することも珍しくなく、体力的・精神的な負担も大きい

❗ 時差対応は「自分の努力で解決できない」構造的な問題です。入社前に「担当エリアはどこか」「海外出張の頻度はどの程度か」を確認することは、残業時間の見通しを立てるうえで非常に重要なポイントです。

担当エリアによっては、家族との生活リズムにも大きく影響します。

ライフスタイルとの相性という観点からも、入社前に担当エリアの情報を集めておくことを強くおすすめします。


要因③ 会社の「働き方改革」への取り組み姿勢

近年、大手商社各社は残業削減に積極的に取り組んでいます。

2026年現在、主要な取り組みとしては以下のものが挙げられます。

▼大手商社の働き方改革の例

  • フレックスタイム制の導入・拡充:コアタイムを短縮・廃止し、個人の裁量で働く時間を調整できる制度。育児・介護との両立を後押しする効果もあります
  • 在宅勤務(テレワーク)の定着:コロナ禍をきっかけに導入が加速。回数の決め方は会社ごとに違い、三井物産は回数制限なし・通勤圏内と公表しています
  • 深夜・休日の業務承認制度:一定時間以上の残業や休日出勤に管理職の承認を必要とするルールを設けている企業もあります

ただし、制度と実態は異なるケースもあります。「制度上は残業ゼロを目指している」と言いながら、現場では暗黙のプレッシャーが残っている会社もゼロではありません。

「数字の上では残業が減っている」けれど、「持ち帰り仕事が増えた」という声も聞きます。

私自身も、制度が整備されてきた時代の変化を現場で目の当たりにしてきました。

入社後の実態を把握するには、面接や面談で勤務条件を確かめるのが現実的です。

各社の社風や文化では、会社ごとの働き方や社風の違いをもう少し踏み込んで書いています。


「残業時間のデータ」だけで判断しないことが大切

残業の実態を調べる際、数字だけを見て判断するのは危険です。

たとえば公表されている全社平均の数字を見ても、その内訳は部署によって大きく異なります。

部署ごとの残業時間は、どの社も公表していません。私のいる会社でも、残業がほとんどない月が続く部署と、繁忙期に月60時間近くまで増える部署があります。

平均値はあくまでも「会社全体のならし」であり、自分が配属される部署の実態ではない可能性が高いです。

「平均残業時間」という数字の裏側にある部署ごとのばらつきを、どれだけ具体的に把握できるかが、転職・就職後の満足度を左右する大きなポイントです。

私が30年以上の商社生活を通じて感じたのは、「情報を持っている人が、良いキャリアを掴む」ということです。

公開情報だけに頼らず、エージェントや口コミサイト、OB・OG訪問など、複数のチャンネルを使って情報を集めることが、後悔のない選択につながります。


③ 商社への転職・就職前に知っておくべき残業の実態と対策

③ 商社への転職・就職前に知っておくべき残業の実態と対策

「入ってから後悔しない」ために事前に確認すべきこと

商社への転職・就職を考えているなら、残業の実態をできるだけ正確に把握したうえで判断することが大切です。

求人票や会社説明会の情報だけでは、リアルな現場の様子はなかなかわかりません。

ここでは、入社前に確認しておきたい具体的なポイントをお伝えします。


確認ポイント① 有価証券報告書・統合報告書で数字を見る

上場している商社であれば、有価証券報告書や統合報告書(サステナビリティレポートなど)に、平均残業時間や有給取得率などのデータが記載されていることがあります。

公開されている数値は「会社全体の平均」であるため、部署ごとの実態とは乖離する場合もあります。ただし、会社の透明性や働き方への姿勢を見極める材料として非常に有効です。

サステナビリティ(ESG)データのページに載っていることが多いので、志望先が絞れたら必ず確認してみてください。

数字の変化を複数年にわたって追うことで、改善傾向にあるかどうかもわかります。


確認ポイント② 転職口コミサイトで現場の声を拾う

「OpenWork(オープンワーク)」「転職会議」などの口コミサイトでは、実際に働いている・働いていた社員のリアルな声を確認できます。

▼口コミサイトを活用する際の注意点

  • 投稿が古い場合は現状と異なる可能性がある(特に働き方改革以前の投稿には注意)
  • ネガティブな意見が集まりやすい構造上の偏りがあるため、全体の傾向を見ることが大切
  • 部署名や職種が明記されているコメントを優先的に参考にする

❗ 口コミはあくまで参考情報です。1件の口コミを鵜呑みにせず、複数のサイト・複数の投稿から傾向をつかむ使い方が正しい活用法です。

部署名や職種名が書かれた口コミを選んで読むと、配属先の実態に近づけます。

うまく活用することで、入社前の情報収集の精度を大きく高めることができます。


確認ポイント③ 転職エージェントに募集の背景を聞く

もう一つの方法が、転職エージェントの活用です。

転職エージェントに聞くと、求人票には書かれていない募集の背景や、その部署がどんな体制なのかを教えてもらえることがあります。

ただし、どこまで分かるかは担当者が持っている情報によります。聞けた話は「そのエージェントが知っている範囲」として受け取り、面接でも同じことを確かめておくのが確実です。

商社への転職を本気で考えているなら、複数のエージェントに登録して情報を比較することをおすすめします。

エージェントによって保有している求人も情報量も異なるため、一社だけに絞ってしまうのはもったいないです。


OB・OG訪問や社員との面談でリアルな声を聞く

有価証券報告書や口コミサイトに加えて、ぜひ活用してほしいのがOB・OG訪問や社員面談です。

実際にその会社で働いている・いた方から直接話を聞くことで、数字や文章では伝わらないリアルな雰囲気をつかむことができます。

大学のキャリアセンターやLinkedIn、Wantedlyなどを活用することで、商社勤務の方にコンタクトを取ることも以前より容易になっています。

面談の際は「実際の残業時間」「仕事とプライベートのバランス」「入社前後のギャップ」などを具体的に質問することで、より実態に近い情報を得やすくなります。

「失礼かな」と遠慮してしまう方もいますが、真剣に入社を考えているという姿勢を伝えれば、話を聞かせてもらえることもあります。


残業の多さを「許容できるか」を自分に問いかけることも重要

ここで少し視点を変えて、残業に対するご自身のスタンスについても考えてみてください。

「残業が少ない=良い会社」とは限りません。

❗ 「どれだけ残業があっても構わない」と「残業は月20時間以内に抑えたい」では、選ぶべき会社・部署が変わります。自分のライフスタイルや価値観と照らし合わせて、優先順位を整理しておくことが大切です。


④ 商社の残業実態を踏まえた転職エージェントの選び方

④ 商社の残業実態を踏まえた転職エージェントの選び方

残業の実態を聞き出すためのエージェントの使い分け

残業の実態は求人票だけでは読み切れないので、求人数の多いリクルートエージェントやパソナキャリアと、管理職・専門職の求人に強いJAC Recruitmentのように、性格の違うところを併用しておくと聞ける話の幅が広がります。

求人数の多いサービスだけだと、部署ごとの働き方まで詳しく聞けないこともあります。

求人票に書かれた固定残業代の時間数と、面談で聞いた話を突き合わせると、入社後のギャップは減らせます。ただし、どこまで教えてもらえるかは担当者によります。

出会える求人は、エージェントによって違います。

自分に合ったエージェントを見つけることが、転職成功の第一歩です。


エージェントを複数登録して比較するのがおすすめ

転職エージェントは、1社だけに絞って使うよりも、2〜3社に同時登録して比較しながら活用するのが基本です。

エージェントによって、保有している求人数・得意な業界・キャリアアドバイザーの質は大きく異なります。

登録するときは、求人数の多い総合型と、ハイクラス・管理職の求人に強いところを組み合わせるのがおすすめです。

総合型の大手エージェントは求人数が多く、選択肢を広げるのに向いています。

ハイクラス向けでは、JAC Recruitmentは管理職・専門職、Samurai Jobは外資系や海外勤務ありの求人が中心です。

保有している求人や情報量はエージェントによって違います。まずは複数に登録して、担当者の対応・保有求人・情報量を比較したうえで、メインのパートナーを選ぶようにしましょう。


未経験から商社を目指すなら、早めにエージェントに相談する選択肢も

未経験から商社への転職を目指す場合、一人で進めると情報が偏りがちです。

転職エージェントに早めに登録しておくことで、求人情報の収集・書類作成・面接準備をトータルでサポートしてもらえます。

❗ 「まだ転職するかどうか迷っている」という段階でも、情報収集の目的でエージェントに相談するのはまったく問題ありません。むしろ早い段階で動くほど、選択肢が広がります。


商社の残業の実態を正しく理解して、後悔のない転職・就職を

ここまで読んでいただきありがとうございます。

商社の残業の実態は、「多い・少ない」の二択ではなく、部署・職種・会社の規模・担当エリアによって大きく異なります。

一口に「商社」と言っても、働き方はさまざまです。

事前の情報収集と自己分析をセットで行うことで、入社後のギャップをぐっと減らすことができます。

▼この記事の重要ポイントまとめ

  • 商社の残業の実態は部署・職種によって大きく差があり、各社が公表している全社平均は月10〜28時間ほどだが、集計の定義が違うので横並びでは比べられない。部署ごとの数字はどの社も公表していない
  • 残業が多くなる要因は「商流の複雑さ」「海外との時差対応」「会社の働き方改革への取り組み姿勢」の3点
  • 入社前に有価証券報告書・口コミサイト・転職エージェントを活用して残業の実態を確認することが重要
  • 「残業が多くても構わない」か「プライベートを優先したい」かで、選ぶべき会社・部署が変わる
  • 求人票の固定残業代の時間数と、面談で聞いた繁忙期の話を突き合わせて判断する
  • 残業時間の平均値だけでなく、部署ごとのばらつきを把握することが入社後の満足度を高める鍵

正しい情報をもとに動くことが、後悔のないキャリア選択への第一歩です。

残業の数字は、平均ではなく山のほうを見て判断してください。

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