商社の執行役員と社長の年収|5大商社の実額と、執行役員が非公表の理由

商社の執行役員と社長の年収|5大商社の実額と、執行役員が非公表の理由 商社へ転職

※このサイトはアフィリエイト商品や、PR商品も掲載されています。

この記事で分かること

商社での昇進や転職を視野に、役員年収と到達方法をリアルに知りたい方向けの記事です。執行役員・常務・社長のどこまでが公表されているかから整理します。

・執行役員の報酬は原則として公表されていません。有価証券報告書に氏名と金額が載るのは連結報酬1億円以上の人だけで、三菱商事で2026年3月期に載ったのは、取締役の6人だけです(執行役員は2026年10月1日現在で49人)。・1億円以上を個別開示された5大商社の役員29人の実額は1億1,600万円〜19億8,400万円(2026年3月期 有価証券報告書)・上位3社(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事)の社長報酬は、丸紅・住友商事の1.8倍から2.8倍です。・一般社員から役員に上がるのはごく一部で、昇進の年次や条件を公表している商社はありません。

本記事の年収データについて
企業別の平均年収は、各社の2026年3月期 有価証券報告書に記載された「平均年間給与」に基づきます。年代別・年次別・役職別の金額は、どの商社も公表しておらず、有価証券報告書や公的統計から計算で出せるものでもありません。本記事に出てくるこれらの金額は、著者が商社30年以上で見てきた範囲の目安です。実際の金額は部門・評価・業績連動賞与によって上下します。

はじめに

大手商社の役員がどれだけの報酬を受け取っているのかを、公表されている実額から整理した記事です。私は大手商社に30年以上勤め、資源・食料・企画・人事の各部門を経験してきました。

報酬1億円以上を個別開示された役員は、2025年度決算(2025年4月期〜2026年3月期)の上場企業で606社・1,345人と、前年度の540社・1,207人から増えました(東京商工リサーチ、2026年8月発表)。2026年3月期の5大商社(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅)では29人が氏名と金額つきで開示されています。本記事では、その実額を有価証券報告書から並べたうえで、そこに至るまでの道筋まで解説します。

PR

いずれも登録は無料です。提示年収・応募要件・勤務地は求人票に書かれているので、下の説明を読んで、自分に当てはまる1社から確かめてください。

サービス名 特徴 詳細・申込
Assign 20代〜30代ハイエンド層向け。いまの経験でいくら提示されるかが分かる 無料公式サイトを見る
リクルートエージェント 全年代・全職種対応。商社の求人がどれだけ出ているかが分かる 無料公式サイトを見る
パソナキャリア 幅広い年齢層・職種に対応。応募要件と学歴条件を見比べられる 無料公式サイトを見る
JAC Recruitment ハイクラス・ミドルクラス向け。管理職求人の提示年収が分かる 無料公式サイトを見る
Samurai Job グローバル・外資系の求人。海外勤務の有無と語学要件が分かる 無料公式サイトを見る
第二新卒エージェントneo 20代・第二新卒・既卒の未経験可。応募できる求人があるかが分かる 無料公式サイトを見る

この記事で扱う役員報酬は、1億円以上を個別開示された人だけが公表対象です。それ以外のポジションの年収は、求人票に書かれている提示レンジを見るほうが早く分かります。

5大商社の社長・会長の年収を実名で公開(2026年3月期)

5大商社の社長・会長の年収を実名で公開(2026年3月期)

有価証券報告書には、連結報酬等の総額が1億円以上の役員だけが、氏名と金額つきで載ります。ここでは2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)の有価証券報告書から、5大商社の社長と会長の金額をそのまま並べます。

商社の役員報酬は、どこまで分かるか|有価証券報告書に載るものと載らないもの

2026年3月期でもっとも高かったのは伊藤忠商事の岡藤正広会長CEOで19億8,400万円、社長のなかでは同じく伊藤忠商事の石井敬太社長COOの10億7,800万円でした。

いずれも基本報酬、業績連動賞与、株式報酬を合計した金額です。役職は各社の公式サイトの役員紹介ページ(2026年6月時点)で確認しています。

▼5大商社の社長と会長の報酬(2026年3月期 有価証券報告書)

会社社長社長の報酬会長会長の報酬
伊藤忠商事石井敬太10億7,800万円岡藤正広19億8,400万円
三菱商事中西勝也10億600万円垣内威彦3億3,500万円
三井物産堀健一7億6,200万円安永竜夫5億3,800万円
丸紅大本晶之4億1,500万円柿木真澄5億8,100万円
住友商事上野真吾3億7,900万円兵頭誠之2億4,500万円

▼この表から読み取れること

  • 伊藤忠商事だけが突出しています。会長の19億8,400万円は、社長の中で2番目に高い三菱商事・中西社長の10億600万円のほぼ2倍で、5社の社長の中で最高額の石井社長(10億7,800万円)も上回っています。
  • 会長が社長を上回るのは伊藤忠商事と丸紅の2社です。丸紅は2025年4月に柿木真澄氏が社長から会長へ、大本晶之氏が社長へ交代した年度にあたります。
  • もっとも低いのは住友商事の上野真吾社長で3億7,900万円ですが、前期の3億1,900万円から増えています。
  • 三井物産への転職を考えている方向けに補足すると、同社は社長7億6,200万円・会長5億3,800万円で、社長のほうが会長より高い3社(三菱商事・三井物産・住友商事)の一つです。

▼社長の報酬は社員の平均年収の何倍か(2026年3月期)

会社社長の報酬社員の平均年間給与倍率
伊藤忠商事10億7,800万円1,991万円約54倍
三菱商事10億600万円2,113万円約48倍
三井物産7億6,200万円2,059万円約37倍
丸紅4億1,500万円1,784万円約23倍
住友商事3億7,900万円1,840万円約21倍

社員の平均年間給与は、各社の2026年3月期 有価証券報告書「従業員の状況」に記載された値です。倍率は実額どうしを割ったもので、推計ではありません。

上位3社とそれ以外の差は大きく、2026年3月期の社長の報酬でいえば、伊藤忠商事10億7,800万円・三菱商事10億600万円・三井物産7億6,200万円に対して、丸紅4億1,500万円・住友商事3億7,900万円で、1.8倍から2.8倍の開きがあります(有価証券報告書)。

報酬の差の背景には、利益水準の差があります。2026年3月期の連結純利益は、伊藤忠商事が9,003億円で5社の中で最も大きくなっています。

上位3社の稼ぎ方は同じではありません。三菱商事と三井物産は資源・エネルギー分野の収益が厚く、伊藤忠商事は繊維・食料・生活資材といった非資源分野で伸びてきました。役員報酬は業績連動の部分が大きいので、利益水準の差が報酬の差に表れやすくなります。

❗重要なのは、これらの役員報酬は固定額ではなく、会社の業績に大きく左右されることです。

実際に、コロナ禍にあたる2021年3月期の三菱商事の社内取締役の報酬総額は12億6,500万円で、前期の20億2,500万円から約38%減りました(有価証券報告書)。

また、これらの開示金額は税込み総額であることも理解しておく必要があります。 実際の手取り額は、所得税や住民税を差し引いた結果、約半分になります(所得税と住民税を合わせた最高税率は約55%)。

2026年3月期に1億円以上の個別開示があったのは、5大商社で合わせて29人です(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・丸紅が各6人、住友商事が5人)。

逆にいえば、この29人に名前がない取締役・監査等委員は、1億円に届いていないということです。開示の対象にならない執行役員クラスがどのあたりの水準になるのかは、三菱商事の内訳を見たあと、「執行役員の年収はいくらか」の章で見ていきます。

三菱商事の社長の年収は10億600万円|社員平均の約48倍

三菱商事の社長の年収は10億600万円|社員平均の約48倍

社名を指定して調べる方が多いので、三菱商事だけ数字を細かく見ておきます。

2026年3月期の三菱商事の代表取締役社長・中西勝也氏の連結報酬等の総額は10億600万円でした。前期は7億400万円だったので、1年で約43%増えたことになります。

同じ年度の取締役会長・垣内威彦氏は3億3,500万円で、社長が会長の3倍という関係です。会長のほうが高い伊藤忠商事や丸紅とは逆になっています。

▼三菱商事の役員報酬(2026年3月期 有価証券報告書)

  • 社内取締役(監査等委員である取締役を除く)6名の合計:24億1,800万円
  • 社内の監査等委員である取締役2名の合計:1億7,400万円
  • 社内役員8名の合計:25億9,200万円(このほかに社外取締役4名の1億7,400万円と、社外の監査等委員3名の1億3,800万円があり、4つの区分を合計すると29億400万円)
  • 1億円以上の個別開示は6人:中西勝也10億600万円、塚本光太郎3億5,100万円、垣内威彦3億3,500万円、柏木豊・野内雄三・野島嘉之が各2億6,600万円(6人の金額を足すと24億9,000万円で、上の合計とは一致しません。個人業績連動報酬を、個別開示では実際の支給額で、役員区分ごとの合計では当期の引当額で載せているためです)

同社の社員の平均年間給与は2,113万円(平均年齢42.3歳・2026年3月期 有価証券報告書「従業員の状況」)なので、社長の報酬は社員平均の約48倍にあたります。

❗この10億600万円は毎年同じ額ではありません。中西氏の報酬は2023年3月期6億5,500万円、2024年3月期7億6,800万円、2025年3月期7億400万円と動いており、業績連動と株式報酬の比重が大きいことが読み取れます。

執行役員の年収はいくらか|開示されない理由と相場の目安

執行役員の年収はいくらか|開示されない理由と相場の目安

執行役員の年収を調べても実額がなかなか出てこないのは、執行役員の報酬が原則として開示されないからです。

有価証券報告書に氏名と金額が載るのは、連結報酬等の総額が1億円以上の人だけです。執行役員は会社法上の役員ではないため、取締役を兼ねていなければ、この個別開示にも取締役の報酬総額にも出てきません。

▼開示のしくみから分かること

  • 取締役を兼ねる常務執行役員クラスは実額が分かります。三菱商事では2026年3月期に、当時取締役を兼ねていた常務執行役員の3人(柏木・野内・野島の各氏)がいずれも2億6,600万円でした(有価証券報告書)。
  • 三菱商事の執行役員は49人います(2026年10月1日現在・同社の役員紹介ページ)。2026年3月期に1億円以上で個別開示された6人は、全員が取締役でした。このうち今の執行役員は、社長の中西氏と常務執行役員の野島氏の2人です(会長の垣内氏は執行役員ではありません)。
  • 取締役を兼ねていない執行役員は開示の対象外なので、1億円を超えているかどうかは公表情報からは分かりません。

ここまでで公表情報から言えるのは、取締役を兼ねる常務執行役員クラスの実額だけです。下限を示す公表値はありません。相場の目安(執行役員クラスで3,000万〜5,000万円、常務執行役員で5,000万〜1億円、専務執行役員以上で1億円前後から上)は、私が商社で見てきた範囲の目安です。

社内で見てきたかぎりでも、どこまで上がれるかで生涯年収は大きく変わります。転職で商社に入る方が現実に狙えるのは、まず部長クラスまでの範囲だと考えておくのが妥当です。

役員報酬の中身|基本報酬・業績連動・株式報酬の割合

役員報酬の中身|基本報酬・業績連動・株式報酬の割合

役員報酬は開示されても、その手前のポジションの年収は、求人票の年収レンジにしか出てきません。

三菱商事の2026年3月期の有価証券報告書から、社内取締役6人分の報酬の内訳を計算すると次のようになります。

▼役員年収の構成要素

  • 基本報酬:32.0%
  • 業績連動の報酬(個人業績連動報酬13.5%+業績連動賞与14.1%):27.6%
  • 株価連動型株式報酬:40.3%

基本報酬は3割ほどで、残りの7割近くが業績と株価で動く部分です。他社の構成比も、同じ「役員の報酬等」の欄で確かめられます。

同じ商社でも、昇進の速さや役員の出身部門は会社ごとに違います。求人票と面談では、その会社がいまどのポジションに人を足そうとしているかが分かります。

役員報酬の算出基準と評価制度

役員報酬の算出基準と評価制度

役員報酬は、社外取締役を含む委員会での審議を経て決められます。

三菱商事が2026年3月期の業績連動賞与を決めるときに使った指標は、有価証券報告書に次のように書かれています。

▼業績連動賞与の評価指標

  • 営業収益キャッシュフロー:1兆481億円
  • ROE(自己資本利益率):8.5%
  • サステナビリティ項目の評価に係る支給率:105%
  • (支給額は、報酬委員会で審議し取締役会で決めた算定式で決まります。当期純利益が0か赤字なら不支給、ROEが一定の水準を下回ると減額です。算定式は同社サイトのガバナンスのページに図で載っています)

指標にサステナビリティ項目が入っているのは、利益だけで評価しないという方針の表れです。

株式報酬については、中長期的な企業価値向上へのコミットメントを示す仕組みとして機能しています。 付与された株式は一定期間売却が制限されており、株価の変動リスクを役員も共有する構造になっています。

三菱商事の中西社長の報酬が1年で約43%動いたのも(三菱商事の章)、業績連動や株価連動の比重が大きいためと考えられます。

ここまでの評価制度は、有価証券報告書に書かれている範囲です。どのポジションがいくらで募集されているかまでは、求人票を見ないと分かりません。

有価証券報告書で自分で確かめる手順|「役員の報酬等」はどこにあるか

有価証券報告書で自分で確かめる手順|「役員の報酬等」はどこにあるか

ここまで数字を並べてきましたが、この手の情報は、書いてあるものを信じるより自分で見にいくほうが早いです。役員報酬は公開情報なので、誰でも原本にあたれます。

手順はこうです。

  • ① 金融庁のEDINETで会社名を検索し、最新の有価証券報告書を開く
  • ② 第4「提出会社の状況」まで進む。前半は事業の話なので飛ばして構いません
  • ③ その中の「コーポレート・ガバナンスの状況等」を開き、「役員の報酬等」の欄を見る

この欄に、役員区分ごとの報酬総額と対象人数が載っています。総額を人数で割れば、その区分の1人あたりが出ます。そして連結での報酬等が1億円以上の人は、氏名と金額が個別に開示されます。社長や会長の金額が分かるのはこの決まりのおかげで、それ未満の役員の金額が分からないのも同じ理由です。

❗ ネットで見かける役員報酬の数字も、多くはこの欄が出どころです。孫引きを読むより、原本のほうが速くて正確です。

社外取締役と社内の役員は、分けて見る

「役員の報酬等」の欄を開くと、まず戸惑うのがここです。役員区分が細かく分かれていて、そのままでは平均が取れません。

社外取締役や監査等委員は、常勤の経営陣とは報酬の水準がまったく違います。社外の方は他に本業を持ったうえで就任しているので、金額は一桁小さいのが普通です。

ですので、「役員全体の平均」を出しても実態を表しません。知りたいのが「社内で上がっていった人がいくらもらうか」なら、社外役員を除いた区分だけを見てください。

退職慰労金は、株式報酬に置き換わってきた

もうひとつ、古い情報が残りやすいのが退職慰労金です。

かつては役員を退任するときにまとまった金額が出る仕組みが一般的でしたが、業績との結びつきが弱いという理由で廃止する会社が相次ぎ、そのぶんが株式報酬など業績に連動する形に置き換わってきました。

制度が残っているかどうかも、同じ「役員の報酬等」の欄に書かれています。役員報酬を会社どうしで比べるときは、この構成まで見ないと、同じ金額でも意味が違ってきます。

役員の一歩手前はどうなっているか|部長クラス

役員の一歩手前はどうなっているか|部長クラス

1億円以上の役員の金額は開示されますが、執行役員や、そこに届く前の部長・本部長の層は公表されません。それでも、実際に目指すうえで気になるのはこちらだと思います。

順番だけ整理しておきます。総合商社では、課長クラスから部長、本部長を経て執行役員に上がっていきます。私が見てきた範囲では、部長から執行役員で1段上がり、常務・専務・代表取締役と進むにつれて、さらに大きく上がります。

この記事の前半で見た「1億円以上で個別に名前が出る人」は、その最後の段まで進んだ一握りです。執行役員になれば全員が1億円、ということではありません。

❗ 本部長・部長クラスの金額は、どの会社も開示していません。私が見てきた範囲の目安では、部長で2,200万〜2,800万円です。

目安を知りたい場合に唯一たしかなのは、有価証券報告書に載っている「従業員の平均年間給与」です。これは全社員の平均なので、管理職はその上に乗ります。開示されている数字から積み上げて考えるほうが、出どころの分からない金額を信じるより確かです。

役員の出身大学は関係するのか

役員名鑑を眺めて「やはり上位校ばかりだ」と感じる方は多いと思います。ただ、ここは順番を取り違えないでください。

役員の出身大学に偏りがあるのは、その世代が入社した時点の採用構成を映しているだけです。いま役員をしている方の多くは、入社して30年前後がたった人たちです。当時の採用の顔ぶれが、そのまま今の役員の顔ぶれになっています。

つまり「この大学だと役員になれる」ではなく「この大学の人が多く採用されていた」という話です。昇進の段階で学歴が見られるかというと、私が見てきたかぎり、そこで効くのは実績と社内での評判のほうでした。

入口である採用の段階で学歴がどう扱われているかは、5大商社の学歴フィルターの実態をまとめた記事で詳しく書いています。役員の顔ぶれから逆算するより、そちらを見るほうが正確です。

一般社員から役員に上がるまでのキャリアパス

一般社員から役員に上がるまでのキャリアパス

大手商社で役員クラスの年収を目指すキャリアパスは、決して不可能な道ではありませんが、相当の覚悟と戦略が必要です。

役員まで昇進する人材の典型的なキャリアパスは、入社後13〜18年で課長職、20年前後で部長職、25年前後で本部長・部門長、28〜33年で執行役員というスケジュールです。年齢でいうと課長が35〜40歳前後、部長が40代以降にあたります。昇進の年次を公表している商社はないので、これは私が見てきた範囲での目安です。

ただし、このスケジュールは順調に進んだ場合の話であり、実際には各段階で激しい競争があります。 同期入社が100人いたとしても、最終的に役員まで上がるのは数人というのが、私が見てきた範囲での現実です。

私が見てきた役員候補には、次の共通点がありました。

▼役員候補者の特徴

  • 海外駐在を何度も経験している
  • 複数事業分野での実績がある
  • 語学力が高い(英語に加えて、ほかの言語ができる人もいる)
  • リーダーシップとマネジメント能力に長けている
  • 大型案件での成功実績がある

特に重要なのが海外駐在経験です。 私が見てきた役員の方々も、多くが複数の国・地域での駐在経験を持っていました。 語学だけでなく、異なる環境で事業を回した経験が、上に行くほど問われていたと感じます。

❗現実的な話として、役員を目指すなら入社後早期から戦略的にキャリアを設計する必要があります。

私が見てきた役員の方々の歩み方から言えるのは、次のようなことです。

まず、入社後3〜5年は基礎力の習得に集中し、その後は積極的に海外駐在に手を挙げることです。 私が見てきた範囲では、新興国での駐在で結果を出した人は、本社でも名前を覚えられやすくなっていました。

また、事業分野についても戦略的に考える必要があります。 一つの分野に特化するのではなく、資源と非資源、川上と川下など、異なる性質の事業を経験している人が多くいました。

年収面での成長カーブは、入社10年目前後(課長代理)で1,200万〜1,600万円、課長になる13年目以降で1,800万〜2,300万円、そこから部長・本部長とさらに上がっていく、という流れです。年次別の年収を公表している商社はないので、ここも私が見てきた範囲の目安です。部長の目安(2,200万〜2,800万円)は、前の章で書いたとおりです。

ただし、これは総合職のキャリアパスであり、一般職の年収推移については別記事で詳しく解説しています。

役員までの道のりは長く、どの会社で始めるかで到達点が変わります。20〜30代のうちに社外の基準を知っておくと、社内だけで判断せずに済みます。

課長の年収実態や昇進に必要なスキルについては「大手商社課長の年収」で詳しく解説しています。

大手商社の役員年収の実態とまとめ

大手商社の役員年収の実態とまとめ

大手商社の役員年収について、業界30年以上の経験を基に詳しく解説してきました。 最後に重要なポイントを整理します。

▼記事の重要ポイント

  • 1億円以上を個別開示された5大商社の役員は29人で、実額は1億1,600万〜19億8,400万円(2026年3月期 有価証券報告書)
  • 社長の報酬は伊藤忠商事10億7,800万円・三菱商事10億600万円・三井物産7億6,200万円に対し、丸紅4億1,500万円・住友商事3億7,900万円で、1.8倍〜2.8倍の開きがある
  • 執行役員の報酬は、取締役を兼ねていなければ開示の対象外。推計の相場は著者が見てきた範囲の目安にとどまる
  • 役員報酬は基本報酬・業績連動・株式報酬の組み合わせで、三菱商事の社内取締役では株式報酬が約4割
  • 一般社員から役員に上がるのはごく一部で、昇進の年次や条件を公表している商社はない

役員報酬は、業績が悪ければ大きく減る報酬だということも覚えておいてください。

❗商社業界を目指す方は、高い年収だけでなく、それに伴う責任の重さも理解した上でキャリアを検討することが重要です。

※このサイトはアフィリエイト商品や、PR商品も掲載されています。

タイトルとURLをコピーしました