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この記事で分かること
商社の新入社員が実際にどんな一日を送っているのか、残業や部門差までリアルに知りたい方へ
商社新入社員の
はじめに
「商社ってどんな一日を過ごしているんだろう?」
就活や転職を考えているあなたなら、一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか。
商社は華やかなイメージがある一方で、実際の仕事内容や日々のスケジュールはなかなか外からは見えにくいものです。
私は商社に30年以上勤務し、資源・食料の営業から企画・人事、海外赴任まで幅広く経験してきました。
そんな経験をもとに、この記事では商社の新入社員が実際にどんな一日を送っているのかを、リアルな視点でお伝えしていきます。
「残業は多いの?」「どんな仕事をしているの?」「部門によって違うの?」
そんな疑問にも、できる限り具体的にお答えします。
この記事では、一日の流れを部門別に並べたうえで、残業については各社が公表している数字と、私が見てきた範囲の実感とを分けて書いていきます。
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商社の新入社員が送る一日のスケジュール|朝から夜までの基本的な流れ

商社の新入社員は、毎日どんな一日を過ごしているのでしょうか。
まずは基本的なスケジュールの流れをご紹介します。
始業前の準備が鍵を握る
始業時間は会社によって違い、フレックスタイム制を入れている会社も多くあります。
かつては新入社員のうちは始業30分前に出社しておくのが暗黙のルール、という職場が少なくありませんでした。
いまは各社ともフレックスタイム制や在宅勤務が入り、始業前の出社を求める運用は減っています。早めに出社して一日の段取りを整えるかどうかは、本人の働き方の選択であって、義務ではありません。
早く来ること自体に価値があるのではなく、朝のうちに段取りを整えておくと一日が動かしやすい、というだけの話です。
午前中のスケジュール
▼午前中の主な業務内容
- メールチェックと返信対応
- 上司・先輩への業務報告(朝礼含む)
- 取引先への電話・問い合わせ対応
- 資料作成や見積書の作成補助
午前中は特に情報収集と対応業務が中心になります。
商社では国内外の取引先とやり取りすることが多く、朝一番のメールチェックは非常に重要です。
海外案件を担当している部署では、時差の関係で深夜や早朝に届いたメールへの対応が午前中の最初の仕事になることもあります。
❗新入社員のうちは、メールの書き方・電話対応のマナーなど基本的なビジネスマナーを徹底的に身につけることが最優先です。
昼休みの過ごし方
昼休みは12時〜13時が一般的です。
商社では昼休みも情報収集の場として活用されることが多く、先輩や上司と一緒にランチに行きながら仕事の話を聞く機会も多いです。
ただし、最近はランチタイムの過ごし方も個人の自由を尊重する雰囲気になってきており、一人でリフレッシュする社員も増えています。
午後のスケジュール
▼午後の主な業務内容
- 社内会議への参加(議事録作成)
- 取引先への訪問・同行営業
- 見積書・提案資料の作成
- 上司への業務報告と指示受け
午後は外回りや会議が増える時間帯です。
新入社員のうちは先輩に同行して取引先を訪問し、商談の進め方や顧客との関係構築の方法を間近で学びます。
この同行営業の経験が、後の独り立ちに向けた最大の財産になります。一つひとつの商談を真剣に観察することが大切です。
夕方〜退社までの流れ
17時以降は、その日の業務の締めくくりに入ります。
▼夕方の主な業務内容
- その日の業務の振り返りと報告
- 翌日の準備・スケジュール確認
- 残った資料作成や事務処理
新入社員のうちは残業になることも多く、19時〜20時頃まで仕事をするケースも珍しくありません。
ただし、近年は働き方改革の影響で残業時間の管理が厳しくなっており、以前と比べると定時退社しやすい環境に変わってきています。
❗残業が多いからといって最初から構えすぎる必要はありません。しっかりと業務を覚えていけば、自然と効率も上がっていきます。
部門別に比較|営業・管理・海外はここが違う

一口に「商社の新入社員」といっても、配属される部門によって一日のスケジュールは大きく異なります。
ここでは代表的な3つの部門について、それぞれの特徴をご紹介します。
営業部門の一日
営業部門は、商社の中でも花形とされることの多い部署です。
取引先との商談や新規開拓が主な業務となり、外出が多いのが特徴です。
▼営業部門の一日の流れ
- 8:30 出社・メールチェック・朝礼
- 9:30 取引先への電話・アポイント確認
- 10:00 社内資料作成・見積書作成
- 12:00 昼休み(取引先とのランチ商談も多い)
- 13:00 取引先への外回り・商談同行
- 16:00 帰社・報告書作成・上司への報告
- 18:00〜 残業または退社
営業部門の新入社員は、とにかく外に出て人と会う機会が多いのが特徴です。
営業部門は体力勝負の面もありますが、それ以上に「人との信頼関係を築く力」が最も重要なスキルになります。
商社営業の仕事内容もあわせてご覧ください。
管理部門の一日
管理部門とは、経理・人事・総務・法務などの社内業務を担う部署のことです。
営業部門と比べると外出は少なく、社内での業務が中心になります。
▼管理部門の一日の流れ
- 8:30 出社・メールチェック・業務確認
- 9:00 経理処理・書類作成・データ入力
- 11:00 社内関係部署との打ち合わせ
- 12:00 昼休み
- 13:00 午前中の業務の続き・上司への報告
- 15:00 月次処理・規程類の確認・整備
- 17:30〜 残業または退社
管理部門は、取引先の都合で予定が動くことが営業部門より少なく、スケジュールを組みやすい面があります(部門別の残業時間を公表している商社はありません)。
ただし、月末・月初や決算期は業務が集中するため、残業が増えることもあります。
❗「管理部門は地味」というイメージを持つ人もいますが、会社の経営を支える重要な役割を担っており、やりがいは非常に大きいです。
海外部門の一日
海外部門は、海外の取引先や現地法人とのやり取りを担当する部署です。
時差の関係で、他の部門とはスケジュールの感覚が大きく異なります。
▼海外部門の一日の流れ
- 8:30 出社・深夜〜早朝に届いた海外メールの確認・返信
- 10:00 社内関係部署との連携・調整業務
- 12:00 昼休み
- 13:00 英語での資料作成・契約書確認
- 15:00 ヨーロッパ方面との電話会議(時差の関係で午後が多い)
- 17:00 翌日の準備・業務報告
- 21:00〜 アメリカ方面との電話会議(米国の朝に合わせるため夜間になることも)
海外部門では英語力はもちろん、異文化への理解と柔軟な対応力が求められます。
海外部門への配属を希望するなら、日常的に英語に触れる習慣をつけておくことが、新入社員のうちからできる最大の準備です。
1日の流れから見えてくる|仕事の特徴とやりがい

ここまで商社の新入社員の一日のスケジュールをご紹介してきましたが、実際に働いてみて感じる「仕事の特徴」や「やりがい」についても触れておきたいと思います。
商社の仕事の特徴
商社の仕事を一言で表すなら、要になるのは「調整力と情報力」です。
商社は「メーカーや生産者と企業・消費者の間に立って売買を仲介する会社」と説明されることが多いのですが、いまの利益の柱は仲介の手数料ではありません。出資した事業会社から上がってくる持分利益です(三菱商事の2026年3月期は持分法による投資損益4,679億円で、同期の当期利益8,005億円のおよそ6割。決算短信)。
自社で商品を製造するわけではないため、いかに多くの情報を集め、関係者をうまくつなげるかが仕事の核心になります。
▼商社の仕事の主な特徴
- 国内外の幅広いネットワークを活用したビジネス
- 一つの案件に複数の関係者が絡む複雑な調整業務
- スピード感のある意思決定と柔軟な対応力が求められる
- 語学力や専門知識を活かせるフィールドが広い
私が30年以上商社で働いてきて感じるのは、商社の仕事は「人と人をつなぐ仕事」だということです。
その橋渡し役を担えることが、商社マンとしての最大の誇りであり、やりがいだと今でも感じています。
新入社員が感じるやりがいとは
新入社員のうちは、正直なところ「雑用ばかり」と感じる時期もあります。
資料作成・議事録・電話対応など、地味な業務が続くこともあるでしょう。
しかし、そういった積み重ねの中に商社マンとしての基礎が詰まっています。
▼新入社員がやりがいを感じる瞬間
- 初めて自分が担当した案件が成約したとき
- 取引先から「あなたに頼んでよかった」と言われたとき
- 先輩から「成長したね」と認められたとき
- 海外の取引先と直接英語でやり取りできたとき
❗最初の1〜2年は「学びの期間」と割り切って、目の前の仕事に全力で取り組むことが、その後の成長を大きく左右します。
商社特有の文化と人間関係
商社には独特の文化があります。
「飲みニケーション」や「社内行事」を大切にする風土が残っている会社もあります。
もちろん最近は個人の時間を尊重する流れも強まっていますが、人間関係を大切にする姿勢は商社マンとして今も変わらず重要です。
新入社員のうちから積極的に社内外の人間関係を築いておくことが、商社マンとしての長期的なキャリアを支える大きな財産になります。
気になる残業・働き方事情のホンネ

商社への転職や就活を考えているなら、残業や働き方事情は気になるところですよね。
ここでは現役商社マンとして、リアルなホンネをお伝えします。
商社の残業事情はどうなっている?
結論からお伝えすると、商社の残業時間は部門や会社規模によって大きく異なります。
各社が公表している月平均残業時間は、三菱商事11.4時間(2025年度・法定8時間を超える部分)、三井物産28.4時間(2026年3月期・本店および国内支社の非管理職)、伊藤忠商事約10時間(2025年度・法定8時間を超える部分)、住友商事9時間51分(2025年度)、丸紅16.7時間(2026年3月期・単体)です。数え方も対象も会社ごとに違うため横並びには読めませんが、会社全体の平均としてはこの水準です(出典:各社の公式サイト・ESGデータ等)。
▼部門による違い(部門別の残業時間を公表している商社はありません)
- 営業部門:取引先の都合や案件の山場で長くなりやすい
- 管理部門:月末・月初や決算期に業務が集中しやすい
- 海外部門:時差対応で朝晩に会議が入りやすい
特に総合商社(※)と呼ばれる大手商社は、扱うビジネスの規模が大きく責任も重い仕事です。ただし公表値を見るかぎり、総合商社だから一律に残業が長いわけではありません。上に挙げたとおり、5大商社が公表している月平均は10〜28時間の範囲に収まっています。
※総合商社とは、三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅などに代表される、幅広い分野のビジネスを手がける大規模な商社のことです。分野を絞って動くもう一方の類型については専門商社とは何かにまとめています。
❗ただし近年は働き方改革の影響で、残業時間の削減に積極的に取り組む商社が増えており、以前と比べると働きやすい環境に変わってきています。
新入社員の働き方のリアル
新入社員のうちは、業務に慣れるまでに時間がかかるため、どうしても残業が増えがちです。
2026年現在、テレワークやフレックスタイム制、有給休暇の取得推進に取り組む商社が増えています。ただし制度の有無や実際の使われ方は会社ごとに違うので、応募先の採用ページで確かめてください。
▼最近の商社の働き方改革の取り組み例
- テレワーク・リモートワークの導入
- フレックスタイム制の活用
- 有給休暇取得率の向上
- 残業時間の上限管理の徹底
こうした取り組みにより、新入社員でもプライベートの時間を確保しながら働ける環境が整いつつあります。
商社の給与・待遇はどうなっている?
商社は日本の中でも給与水準が高い業界として知られています。
特に総合商社の場合、新入社員でも年収500万〜610万円ほどからスタートし、経験を積むにつれて大幅に上昇していくケースが多いです。
本記事の年収データについて
企業別の平均年収は、各社の2026年3月期 有価証券報告書に記載された「平均年間給与」に基づきます。年代別・年次別・役職別の金額は、どの商社も公表しておらず、有価証券報告書や公的統計から計算で出せるものでもありません。本記事に出てくるこれらの金額は、著者が商社30年以上で見てきた範囲の目安です。実際の金額は部門・評価・業績連動賞与によって上下します。
▼商社の給与水準の目安(2026年現在)
- 新入社員:年収500万〜610万円(公表されている初任給を起点にした、著者が見てきた範囲の目安)
- 中堅社員(5〜10年目):年収800万〜1,600万円
- 課長クラス(入社13年目以降):年収1,800万〜2,300万円
❗ただし給与が高い分、求められるスキルや成果へのプレッシャーも大きいことは覚えておきましょう。
私自身、高い給与をモチベーションに頑張れた部分もありますが、それ以上に仕事そのものの面白さや人との出会いがやりがいの源泉になっています。
商社への転職・就活を考えるなら、給与だけでなく自分がどんなキャリアを積みたいかをしっかりイメージしておくことが大切です。
1日の流れを知って転職・就活を有利に進める方法

ここまで商社の新入社員の一日のスケジュールや働き方について詳しくお伝えしてきました。
最後に、商社への転職・就活を成功させるための具体的な方法をご紹介します。
商社転職・就活で押さえておくべきポイント
商社への転職や就活を成功させるためには、業界研究と自己分析の両立が欠かせません。
一日のスケジュールや仕事内容を理解したうえで、「自分はどの部門で何をしたいのか」を明確にしておくことが重要です。
▼商社転職・就活で押さえるべきポイント
- 総合商社と専門商社の違いを理解する
- 希望する部門の仕事内容を具体的にイメージする
- 自分の強みと商社が求めるスキルをすり合わせる
- OB・OG訪問や説明会を積極的に活用する
商社への転職・就活において「なぜ商社なのか」「なぜこの会社なのか」を自分の言葉で語れるかどうかが、選考を突破できるかどうかの分かれ目になります。
未経験から商社転職を成功させるには
「商社に転職したいけど、未経験でも大丈夫?」
そんな不安を抱えている方も多いと思います。
結論からいうと、未経験からの商社転職は決して不可能ではありません。
ただし、しっかりとした準備と戦略が必要です。
▼未経験から商社転職を成功させるための準備
- ビジネス英語力の向上(求人票で示される目安は、おおむね730点・800点・850点のあたりに区切りが置かれています。合否の基準スコアは各社とも非公表)
- 前職での実績・経験を商社の仕事に結びつけて説明できるようにする
- 商社業界の最新トレンドや動向を把握しておく
- 転職エージェントを活用して効率的に情報収集する
❗転職エージェントの活用は効果的です。求人数の多い大手と、管理職やハイクラスの求人に強いところの両方に登録しておくと、出てくる求人票を見比べられます。
転職エージェントを賢く使おう
商社への転職を考えるなら、転職エージェントへの登録は早めに行動するのがおすすめです。
転職エージェントを活用することで、以下のようなメリットがあります。
▼転職エージェント活用のメリット
- 求人票で応募要件と提示年収を見比べられる
- 担当アドバイザーに、業界の動きや選考の進め方を相談できる
- 履歴書・職務経歴書の添削サポートを受けられる
- 面接対策を受けられ、年収などの条件交渉を任せられる
「まだ転職するか決めていない」という段階でも、まずは登録だけしておくことをおすすめします。情報収集の場として活用するだけでも、大きな価値があります。
商社新入社員の一日のスケジュールを知って、理想のキャリアへの第一歩を踏み出そう
この記事では、商社の新入社員の一日のスケジュールについて、現役商社マンの視点からリアルにお伝えしてきました。
最後に、記事の重要ポイントをまとめます。
▼この記事の重要ポイント
- 商社の新入社員の一日は、朝のメールチェックから始まり、午前中は情報収集・対応業務、午後は外回りや会議が中心となる
- 部門によってスケジュールは大きく異なり、営業・管理・海外それぞれに特徴がある
- 商社の仕事の核心は「調整力と情報力」であり、人と人をつなぐやりがいの大きい仕事である
- 残業時間は部門や会社規模によって異なるが、働き方改革の影響で以前より働きやすい環境に変わってきている
- 給与水準は高いが、求められるスキルや成果へのプレッシャーも大きい
- 未経験からの商社転職は可能だが、しっかりとした準備が欠かせない
商社への転職や就活は、決して簡単な道ではありません。
しかし、正しい情報と準備があれば、未経験からでも挑戦の道は開けます。
❗まずは求人票を見るところから始めてみてください。提示年収・応募要件・勤務地は求人票に書かれているので、それを自分の経歴と突き合わせるのが最初の一歩になります。
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