商社で英語をどう使うか|部門別の使用頻度と入社後1年の流れ

商社で英語をどう使うか|部門別の使用頻度と入社後1年の流れ 商社へ転職

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この記事で分かること

商社に入ったあと、英語を実際にどの場面でどれくらい使うのかを、部門別・場面別にまとめました。

・英語を使う頻度は部門でまったく違う。海外営業は日常業務の7〜8割、国内営業は2〜3割が目安・入社後にまず求められるのは英文メール。電話会議は半年から1年かけて慣れていく・選考の合否基準としてのスコアは5社とも公表しておらず、求人票の目安はおおむね730点・800点・850点の3段階

はじめに

「商社に入ったら、毎日英語漬けになるのだろうか」 「自分の配属先では、どれくらい英語を使うことになるのか」

このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

総合商社といえば、グローバルビジネスの最前線で活躍する花形企業。 三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅といった大手総合商社は、世界各国でビジネスを展開しており、当然ながら英語力が重要視されるイメージがありますよね。

しかし、実際のところはどうなのでしょうか?

私は商社勤務30年以上で、うち人事部では新卒採用・中途採用の面接官もしてきました。 その経験から言えるのは、英語力は確かに重要ですが、それがすべてではないということです。

英語力が目安に届いていなくても、総合商社の選考を通る人はいます。 ただし入社後、英語をまったく使わずに済む部署は限られます。

この記事では、スコアの話ではなく、入社したあと英語をどの場面でどれくらい使うのかを扱います。

▼この記事で扱うテーマ

  • 部門ごとに英語を使う頻度がどれだけ違うか
  • 入社1年目に英語を使うことになる場面
  • 海外駐在が決まってから赴任までに何をするか
  • 分野別に必要になる英語(資源・IT・金融)
  • 5大商社が英語について公表していること・していないこと

未経験から商社転職を目指す方、新卒で商社入社を考えている方に向けた内容です。 「どの部署に行くと、どれくらい英語を使うのか」が分かれば、いま何を準備すべきかも決まります。

総合商社転職に強いエージェントを活用することで、求人票で英語要件がどう書かれているかを確かめられます。

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商社の仕事で英語をどこで使うか|部門による差

商社の仕事で英語をどこで使うか|部門による差

総合商社への転職を考える際、多くの方が最初に気になるのが英語力の問題です。 「英語ができないと商社には入れない」という先入観を持っている方も多いのではないでしょうか。

実際に商社で30年以上働いてきた私の経験から言うと、英語力の重要性は部署や職種によって大きく異なります。

商社のTOEIC足切り|三菱商事の公式回答と求人票の目安730点で、スコアの目安を扱っています。

総合商社と専門商社の違いも参考にしてください。

商社におけるグローバルビジネスの実態

総合商社は確かにグローバル企業です。ただし「世界中どこにでも拠点がある」わけではありません。三井物産は会社概要で国内11拠点・海外108拠点の合計119拠点、62カ国・地域と公表しています(2026年10月1日現在)。伊藤忠商事は国内7店・海外85店です。

▼商社の主要な海外展開

  • アジア・太平洋地域:中国、インド、ASEAN諸国での資源・インフラ事業
  • 北米・南米:エネルギー、食料、金属資源の調達・投資
  • 欧州・中東・アフリカ:資源開発、再生可能エネルギー事業

これらの地域でのビジネスにおいて、英語は確かに共通言語として使用されています。 しかし、すべての業務で高度な英語力が求められるわけではありません。

部門によっては、英語を使わない日が続くこともあります。国内業務と海外業務の比率を公表している商社はないため、これは私が見てきた範囲での実感です。

本記事の割合・研修時間について
部門別の英語使用割合や駐在前研修の時間は、著者が商社30年以上で見てきた範囲の目安で、公式な統計ではありません。企業・部門・年度によって変わります。

部署別の英語力要求度

商社内での英語力の必要度は、配属される部署によって大きく変わります。

高い英語力が必要な部署

  • 海外駐在員(現地法人での勤務)
  • 海外営業部門(輸出入業務担当)
  • 投資・事業開発部門(海外企業との交渉)
  • 資源開発部門(海外プロジェクト管理)

中程度の英語力で対応可能な部署

  • 国内営業部門(海外企業との窓口業務)
  • 物流・貿易業務部門(書類作成・確認業務)
  • 企画・管理部門(海外拠点との連携業務)

英語力をそれほど必要としない部署

  • 人事・総務・経理部門(国内業務中心。英文メールや資料を読む場面はある)
  • システム・IT部門(国内インフラ管理)

私の経験上、新卒や中途採用で入社した同僚の中にも、入社時点では英語に自信がなかった人が数多くいました。 しかし、彼らの多くが入社後の研修や実務を通じて必要な英語力を身につけていきました。

英語力よりも重要視される要素

実は、総合商社の採用において英語力以上に重要視される要素があります。

❗私が面接官として見てきた中では、論理的思考力、コミュニケーション能力、そして「やり抜く力」のほうが先に見られていました。

商社のビジネスは複雑で、様々なステークホルダーとの調整が必要です。 言語の壁よりも、相手の立場を理解し、win-winの関係を築く能力の方が大切だと感じてきました。

▼商社で重要視される能力

  • 論理的思考力:複雑な案件を整理し、課題を特定する能力
  • コミュニケーション能力:多様な関係者との調整・交渉力
  • 行動力:困難な状況でも前進し続ける推進力
  • 学習意欲:新しい知識・スキルを継続的に習得する姿勢
  • ストレス耐性:プレッシャーの中でも冷静に判断する能力

英語はあくまでもツールの一つです。 大切なのは、そのツールを使って何を成し遂げるかということです。

私が見てきた優秀な商社マンの多くは、入社後に必要に応じて英語力を向上させていました。 語学だけでは評価されにくい場面も見てきました。

求められるTOEICスコアの目安|合否基準は公表されていない

求められるTOEICスコアの目安|合否基準は公表されていない

求人票で示される目安は、豊田通商の730点、三井物産の800点・850点というように会社とポジションで幅があり、おおむね730点・800点・850点のあたりに区切りが置かれています。総合商社は730〜850点(豊田通商は730点以上、三井物産は800点以上が多い)、専門商社は会社ごとに違います(兼松は650点以上)。ただしこれは求人票に書かれた目安で、足切りラインではありません。

選考の合否基準としてのスコアは、5大商社とも公表していません。三菱商事は新卒FAQで「合否の判断材料としている個別の資格はありません」、住友商事は「特定の資格保有者を優遇することはありません」、丸紅は「英語の能力のみで合否を判断することはありません」と明記しています。

各社が実際にどこまで公表しているか、求人票にどう書かれているかは商社のTOEIC足切りの目安で詳しくまとめています。この記事では、スコアの話ではなく入社後に英語をどの場面で使うのかを扱います。

英語力不足でも総合商社への転職は可能なのか

英語力不足でも総合商社への転職は可能なのか

結論から言うと、英語力が目安に届いていなくても選考を通る人はいます。私の周りでも、入社時に英語に自信がなかった同僚は、英語以外に得意分野を持っていました。

英語力が足りないまま応募するときに、書類と面接で何をどう見せるかは商社転職は英語力が不足でも通るか|書類・面接の突破法にまとめてあります。

5大商社が公表していること・していないこと

5大商社が公表していること・していないこと

各社の採用ページとFAQで公表されている内容を並べると、次のようになります。

  • 三菱商事:新卒FAQ「合否の判断材料としている個別の資格はありません」
  • 住友商事:新卒FAQ「特定の資格保有者を優遇することはありません」
  • 丸紅:新卒FAQ「英語の能力のみで合否を判断することはありません」
  • 三井物産:キャリア採用の募集ポジションごとに目安を提示することがある。ただし「応募時に必須の条件ではございません」と注記される
  • 伊藤忠商事:選考基準は非公開

つまり、5社とも「何点あれば通る」という基準は出していません。会社別のスコア一覧が載っているサイトを見かけますが、公表資料で確認できないものが多く見られます。

数字がはっきりしている例が海外赴任の語学要件を公表している双日です。TOEIC L&R 730点、スピーキング130点、ライティング140点を設定しています(出典:IIBCの活用事例。掲載情報は取材当時のもの)。選考ではなく赴任の要件である点に注意してください。

各社の公表状況をもう少し詳しく見たい方は三菱商事のTOEIC足切りを、TOEIC以外の英語資格との比較は商社転職の英語力|TOEIC・英検・TOEFLの目安スコアをご覧ください。

転職前の英語学習をどう組み立てるか

転職前の英語学習をどう組み立てるか

転職活動と並行して英語をどう伸ばすかは、使える時間によってやり方が変わります。3か月しかないならTOEIC対策に絞る、半年以上あるなら聞く・話すまで広げる、という切り分けです。

学習計画の具体的な組み立て方と、面接での見せ方は商社のTOEICは何点必要か|職種別の目安と3段階の学習計画にまとめてあります。

総合商社転職の面接で英語力をアピールするコツ

総合商社転職の面接で英語力をアピールするコツ

面接で英語力を聞かれたときは、点数を盛らずに現状を言い、そのうえで「いつまでに何をするか」を具体的に添えるのが基本です。

質問への答え方と、英語面接がある場合の準備は商社転職のTOEIC対策で扱っています。

入社後に必要な英語力と実際の業務での使用場面

入社後に必要な英語力と実際の業務での使用場面

総合商社に入社した後、実際にどのような場面で英語力が必要になるのか。 30年以上の実務経験から、リアルな業務シーンをご紹介します。

新入社員が直面する英語使用場面

英文メールでのやりとり 入社後最初に英語を使う場面は、多くの場合英文メールです。

▼実際の英文メール例

  • 海外サプライヤーからの価格照会への回答
  • 海外顧客への商品仕様の説明
  • 海外拠点からの月次レポートの確認
  • 国際会議の日程調整

最初は簡単な英文メール一通にも時間がかかるものです。 テンプレートを活用し、少しずつ慣れていけば、書く時間は短くなっていきます。

電話・ビデオ会議での英語 入社6ヶ月から1年程度で、英語での電話対応やビデオ会議への参加を求められるようになります。

最初は聞き取れなくて当然です。重要なのは、分からないことを率直に伝える勇気です。

▼新人が参加する英語会議の例

  • 週次の海外拠点との定例会議
  • 新商品の海外展開に関する企画会議
  • 海外メーカーとの契約条件確認会議
  • 投資案件の進捗報告会議

部署別の英語使用頻度と必要スキル

部門別に英語を使う割合を公表している商社はありません。以下の割合は、私が社内で見てきた範囲のおおまかな目安です。

海外営業部門

  • 英語使用頻度:日常業務の70〜80%
  • 必要スキル:商談での英語交渉、プレゼンテーション
  • 主な業務:海外顧客との直接取引、新規市場開拓

国内営業部門

  • 英語使用頻度:日常業務の20〜30%
  • 必要スキル:英文資料の読解、基本的な英会話
  • 主な業務:輸入商品の国内販売、海外メーカーとの窓口

投資・事業開発部門

  • 英語使用頻度:日常業務の50〜60%
  • 必要スキル:財務資料の英語理解、投資家との英語コミュニケーション
  • 主な業務:海外企業の買収・投資、事業計画の策定

物流・貿易部門

  • 英語使用頻度:日常業務の40〜50%
  • 必要スキル:貿易書類の英語作成・確認
  • 主な業務:輸出入手続き、物流ルートの最適化

海外駐在での英語力要件

駐在準備段階での英語研修 海外駐在が決まると、赴任までの数か月で語学研修が組まれます。期間や中身を公表している商社はないので、以下は私が受けたものと周囲で見てきた範囲です。

▼駐在前研修の内容

  • 集中英会話レッスン(週20〜30時間)
  • ビジネス英語特訓(プレゼン・交渉)
  • 駐在地域の文化・商慣習研修
  • 専門用語・法律用語の習得

私も最初の駐在の前に集中研修を受けました。そこで鍛えた聞く・話す力は、実際の駐在業務でも役立ちました。

駐在先での実際の英語使用 駐在員として現地で必要な英語力は、想像以上に実践的なものです。

❗学術的な英語力よりも、現地スタッフや顧客との信頼関係を築く英語コミュニケーション力が重要です。

▼駐在先での主な英語使用場面

  • 現地スタッフとの日常的なマネジメント
  • 政府機関・規制当局との折衝
  • 現地顧客・パートナーとのビジネス会食
  • 現地メディア・業界団体での講演
  • 危機管理時の緊急対応コミュニケーション

専門分野別の英語力要件

資源・エネルギー分野 この分野では、高度な技術英語と国際的な商慣習の理解が必要です。

▼必要な英語スキル

  • 技術仕様書の正確な読解
  • 安全基準・環境規制の英語理解
  • 国際入札での英語プレゼンテーション
  • 長期契約の英文契約書交渉

IT・デジタル分野 急速に変化する技術トレンドに対応するため、最新情報の英語での収集が重要です。

▼必要な英語スキル

  • 技術文書・論文の英語読解
  • 海外スタートアップとの英語交渉
  • 国際カンファレンスでの情報収集
  • テクニカルサポートでの英語対応

金融・投資分野 複雑な金融商品や投資スキームを英語で正確に理解し、説明する能力が求められます。

▼必要な英語スキル

  • 財務諸表・投資資料の英語分析
  • 格付け機関・監査法人との英語対応
  • 投資家向け英語プレゼンテーション
  • リスク管理の英語レポート作成

どの分野でも、完璧な英語よりも「専門知識と英語力の組み合わせ」が重要視されます。

英語力向上のための社内制度活用

語学研修制度の充実 社員の英語力向上を支援する制度を置いている商社もあります(内容は会社ごとに違います)。

▼語学支援制度の例

  • 社内英会話スクール:週1〜2回のネイティブ講師レッスン
  • オンライン学習システム:24時間利用可能な英語学習プラットフォーム
  • TOEIC受験サポート:受験料の会社負担、スコアアップ奨励金
  • 海外短期留学制度:業務に関連した海外研修プログラム

実践的な英語使用機会の創出 座学だけでなく、実際に英語を使う機会を意図的に増やすことが重要です。

▼英語実践の機会

  • 海外研修生の受け入れ担当
  • 国際会議・展示会への参加
  • 海外拠点との定期的なビデオ会議参加
  • 英語での社内プレゼンテーション機会

こうした機会を積極的に使うと、実務の英語に慣れやすくなります。

英語力以外で総合商社転職を成功させる重要スキル

英語力以外で総合商社転職を成功させる重要スキル

英語はあくまで道具です。私が面接官をしていた頃に注目していたのは、複雑な案件を整理する力、立場の違う相手をまとめる調整力、数字で成果を語れること、そして担当分野の専門知識です。

私が面接に同席した範囲でも、英語が堪能でも前職の成果を具体的に語れない候補者より、英語は中程度でも顧客との関係構築を数字とエピソードで説明できる候補者のほうが、話の中身が伝わりやすいと感じました。

まとめ:商社で英語をどう使うか

まとめ:商社で英語をどう使うか

この記事では、商社に入ったあと英語を実際にどこでどう使うのかを、部門別・場面別に見てきました。最後に要点を整理します。

▼記事の重要ポイント

  • 英語を使う頻度は部門で大きく違う。海外営業や海外駐在は日常業務の大半が英語になる一方、国内営業や管理部門は英文資料を読む場面が中心
  • 入社後にまず求められるのは英文メール。電話会議は半年から1年かけて慣れていくのが普通の流れ
  • 選考の合否基準としてのスコアは5社とも公表していない。求人票で示される目安はおおむね730点・800点・850点の3段階で、総合商社は730〜850点、専門商社は会社ごとに違う(兼松は650点以上)
  • 海外赴任の語学要件を公表している例として双日がある(TOEIC L&R 730点・スピーキング130点・ライティング140点)

どの場面で英語が要るかが分かれば、いま何を準備すべきかも決まります。スコアの目安と各社の公表状況は三菱商事のTOEIC足切り、勉強の進め方と面接での見せ方は商社転職のTOEIC対策にまとめてあります。

英語ができないことを理由に商社を外す必要はありません。ただし、使う頻度に差はあっても、英語をまったく使わずに済む部署は限られる、というのが30年以上見てきた実感です。

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